古い車輌の写真

大阪市電 5 保存車

3000

RP300 Web#=484 掲載2010/3/25

写真1は3000形3000、1969/3/27大阪市電港車庫にて。

3000形は大阪市電創業50周年の1953年に3001号の1輌だけが川崎車輌で製造されました。車体デザインは後に続く2201形、2601形、3001形に継承され大阪市を代表する顔となりました。和製PCCカーとしての試作車的要素が強い電車で、定員の少ないセミクロスシートが採用されたのは弾性車輪つきの住友FS-251が重い負荷に耐えられないのを危惧したためです。間接制御、直角カルダンドライブ等と相俟って高加減速・防音防振性能に優れた電車でした。

量産車である3001形の登場で、この3001は3000形3000に改番されました。1966年に廃車され長らく保管されてきましたが、1972年に解体処分されています。


二階建電車5

写真2と3は二階建電車5、1969/3/27大阪市電港車庫にて。

5は市電50周年を記念して1953年に1923年製720を改造して新しく製作された復元車です。オリジナルの2階建電車は1904年〜1911年に主として築港線に就役し魚釣り電車、納涼電車として親しまれました。当時の写真を見ると珍しいドイツ製のヘルブランド台車を装備していました。

写真を撮影してから車内に入り2階に登ろうとしたのですが、螺旋階段(と言うより梯子)の幅が極端に狭くて大学生だった私の体格では到底上がることができませんでした。乗務員も頭が階段に当たるので、大きなコントロ−ラー・ハンドルをどのようにして回したのでしょうか?

30

写真4は11形30、1969/3/27大阪市電港車庫にて。

1912年に作られた11形30で1922年に一度廃車されたものを1955年に復元した電車です。腰板下部が狭くなっており、運転台の前面が開放型(オープン・ベスティビュール)、ダブル・ポール、ダブルルーフという典型的な初期の路面電車の形で復元されています。金色のライニングが印象的でした。

散水電車25

写真5は散水電車25、1969/3/27大阪市電港車庫にて。

当時の路面電車が走る道路は舗装されてなく砂埃が酷かったために散水車が運用されていました。この25は大阪市電の散水電車としては最後の1925年製で、戦争中に旅客用に改造されるはずでしたが、資材を空襲で焼失したために散水車のまま残されていました。

大阪市住之江区緑木の緑木検車区内にある市電保存館では上記の他に501型528(復元車)、1601形1644、3001形3050、阪急宝塚ファミリーランドの電車館から里帰りしたヘルブランド台車等が保存展示されています。

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