古い車輌の写真

ポンパ号 1

C11 91

RJ137 Web#=487 掲載2010/3/31

写真はC11形C11 91、1971/3/5国鉄東海道本線大阪駅にて。

初期のテレビはブラウン管という真空管の底に動画を描いていました。真空管はヒーターで加熱した電極から電子線を出していましていたので、動作が安定(設計温度まで加熱する)するまで1分以上かかっていました。日立製作所はRCAからスイッチを切って待機しているときも、弱い電気を流して真空管やブラウン管のヒーターを予熱しておく技術を導入しました。当時はバブル景気に湧いていたので省エネなんていう思想は有りませんでした。

また増幅素子をトランジスターに置き換え(ソリッド・ステート化)、スイッチを入れると直ちにテレビの画面が出るように改善しました。

ブラウン管の蛍光体に希土類元素を配合(キドカラー)して、さらに照度が上がりました。つまりポンとスイッチを入れるとパッと画面が現れるわけです。

日立はカラスをデフォルメしたポンパ君というキャラクターをTVコマーシャルに登場させて、大々的なセールス・プロモーションを行いました。空には日立とキドカラーのロゴを大きく表示した軟式飛行船を繰り出し、陸では写真のポンパ号という列車で全国を巡航しました。

ポンパ号の先頭は蒸気機関車C11 91号で、1936年日立製作所で作られ製造番号722でした。金色赤色青色と極彩色で、鉄の一員として玩具のような塗装の蒸気機関車には喜べませんでした。塗装の色は全国を巡回している間に何度か別の色に塗り変えられたようです。

デフレクターが取り外されているのは、蒸気機関車らしさを演出する為でしょうか?

写真を撮影した日は青空と曇り空が交互にやってきて寒い日でした。同じ日にこのポンパ号を同じ大阪駅で撮影していた方が居られて、このサイトで天然色!写真を公開されています。

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