古い車輌の写真

福井鉄道 鯖浦線 3 モハ12

モハ12

RP305 Web#=495 掲載2010/4/29

写真1から4はモハ10形モハ12、1973/6/3福井鉄道福武線水落駅にて。

モハ12は当初福武電気鉄道が1923年に梅鉢鉄工所で作ったモハ1が前身です。1963年に撮影した写真によると車体には鉄板が貼られて所謂ニセスチール車となっていました。その後妻面に大きく手が加えられ、写真のようなHゴム支持の残念な顔つきとなっていました。モハ12は廃止間近の鯖浦線専用車として使われていました。

福井鉄道鯖浦(セイホ)線は1923年に設立した鯖浦電気鉄道が前身で、1926年に東鯖江-佐々生間を開業しました。路線延長を重ね1929年に鯖江-織田間19.5kmが開通しました。1945年に戦時下における交通企業統制で福武電気鉄道と合併して福井鉄道の鯖浦線となりました。1959年に鯖浦線水落駅と福武線水落駅を結ぶ連絡線0.3kmが作られ、鯖浦線の水落駅が水落信号所となりました。鯖浦線は国鉄鯖江駅〜福武線水落駅(スイッチバックでした)〜織田駅で営業していました。

1962年に鯖浦線の国鉄連絡駅である鯖江駅と水落信号所間が廃止されました。1972年西田中駅-織田駅間が廃止され、翌年の1973年9月29日に残る水落駅-西田中駅間が廃止となりました。

モデルマニアとしては、小柄な車体、ダブルルーフ、キングポスト、2個一組の窓、小型パンタグラフ、イコライザー台車、路面区間用フェンダーと折畳み式ステップと魅力なある車体だっただけに、乗務員の安全のためなのかHゴム支持の近代的な妻面だけは残念でした。
    前のページ 次のページ