古い車輌の写真

福井鉄道 福武線 8 デワ1〜3

デワ1

RP310 Web#=500 掲載2010/5/6 修正1 2010/5/10

写真1〜5はデワ1形デワ1、1973/6/3福井鉄道福武線西武生車庫にて。

福井鉄道にはデワ1〜3の3輌の電動貨車が在籍していました。福武電気鉄道は1923年に梅鉢鉄工所で木造で四輪単車のデワ1とデワ2を製造しました。どちらも標準的な単車用台車ブリル21E(多分国産のコピー)を履いていましたが、デワ1の方は後に日本車輌製のC9形ボギー台車(ブリル製台車のコピー)に履換えています。そのC9形台車は1933年に福武電気鉄道が日本車輌で製造したデハ21〜24が履いていたもので、後にモハ500形とモハ510形使われ、更にデワ1に廻されたものです。

晩年は南越線の貨物列車や入換用として使われていました。この写真を撮影した頃は南越線自体の廃線も間近で、福武線の西武生車庫での入換用として余生を過ごしていました。

1980年に運転台周囲が鋼体化されモーターの増強が行われ、電動貨車デワ1から電気機関車デキ10形デキ11となりました。現在では大きな黄色のスノープローを前後に取り付けて、併用軌道区間の除雪作業用となって福井新駅で待機しております。今のスペックは全長10.3m、運転整備重量16.7t、出力150KWです。

現在は近代的な溶接で作られた平滑な運転台、回転式のワイパーを装備しています。車体は依然として木造ですが、整備が行き届いているうえに濃紺のお洒落な塗装で、このデワ1のイメージからはほど遠いスマートな外観となっているのはマニアとしては残念です。

デワ2

福武電気鉄道はデワ1と同じ時期1923年に梅鉢鉄工所で木造で四輪単車のデワ2を製造しました。デワ2の妻面はデワ1の3枚窓とは異なっていて、中央と右側しか窓がありません・・・ウインクしていました。全長はデワ1より長かったのですが、最後まで四輪単車でブリル21Eを履いていました。

この写真は元電気エンジニアのはーさんが1955年ごろから全国を巡って撮影された中の1枚です。この度ご好意で写真を拝借できましたが、(C)転載禁止です。このサイトでたくさんの懐かしくて古い車輌が数多く紹介されています。

模型マニアの目で見ると、短いボギー車のデワ1も四輪単車のデワ2も大変魅力のある車輌です。この写真を撮影した頃は横羽目板の木造車体もかなり傷んで剥げ剥げの塗装、小型パンタグラフ、色の褪めたキャンバス地の屋根、ホイールベースの短い路面電車用の小さな台車など、地方の短い貨物列車の牽引や入換作業に似合う好ましい貨物電車でした。

デワ3の廃車体

写真6はデワ1形デワ3の廃車体、1973/6/3福井鉄道福武線西武生車庫にて。

鯖浦電気鉄道はデワ1を製造しましたが、福井鉄道との合併に伴いデワ3と改番されました。1962年に廃車となっていて、廃車体が車庫に残されていました。

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