古い車輌の写真

京福電鉄福井支社 5 EL テキ501

501

RP315 Web#=505 掲載2010/5/28

写真1〜3はテキ501形501、1973/6/3京福電鉄福井支社福井口車庫にて。

庄川(ショウガワ)水系の小牧ダムを建設しようとした電力会社の庄川水力電気は、建設資材輸送に使うため加越鉄道加越線終点青島町から、小牧ダム堰堤までの専用線4.6Kmを敷設しました。当初は蒸気機関車1と2で運行する計画でしたが、自社の電力を使うため直流600Vで電化されました。1925年に川崎造船所で庄水3号形庄水3〜庄水6(蒸気機関車の続き番号)の4輌が製造されました。

小牧ダム建設工事の資材輸送とダム建設に伴う補償措置である木材輸送に用いられ、工事終了後は、順次北陸地方の各私鉄へ譲渡されて長く使用されました。

庄水3→黒部鉄道KEL3→富山地方鉄道KEL1→同社デキ6500形デキ6501→加越能鉄道デキ6501→1973年廃車。
庄水4→KEL6→富山地方鉄道デキ21→同社デキ8100形デキ8103→1971年廃車。
庄水6→KEL3→越中鉄道KEL1→同社デキ10→富山地方鉄道KEL10→同社デキ6500形デキ6502→1981年廃車→南富山車庫構内除雪用機械→1994年ごろ解体。

前後のボンネット部分の中央に通路を設けた独特の車体を持っていました。このデザインは写真5と6の吉野鉄道1〜3の影響を受けたのではないかと思われます。車体長9.9m、自重は25.4tの小型電気機関車ですが、車体中央部分比較的低くて長いので重量の割には大きく見える電気機関車でした。

写真4はテキ501形501、1977/3/21京福電鉄福井支社福井口車庫にて。

庄水5が1936年に京都電燈福井支社へ譲渡され、同社テキ501形テキ501となりました。テキ501は京都電燈から京福電気鉄道への経営移管され長く越前本線などの本線貨物列車を牽引していました。1981年の京福電鉄福井支社で貨物営業が廃止となり1981年に廃車となりました。晩年は写真4のようにスノープローを取り付けて除雪用となっていました。

近畿日本鉄道大阪線デ81

写真5と6はテ81形デ81、196911/9近鉄大阪線高安検車区留置線にて

これは上記の原型ともいうべき車輌で、近鉄大阪線に所属していたデ81形電気機関車デ81です。吉野鉄道が1923〜1924年にスイスのブラウン・ボベリー社から輸入した電気機関車で1〜3という番号で就役し木材輸送などに活躍しました。近鉄南大阪線ではデ1形3〜5と改番されました。

この電気機関車の製造当初は前後のボンネット部分が妻面から見ると左右に分かれていて、中央に出入り口と乗務員通路があるという風変わりな設計で、上記のデキ501の設計に影響を与えたと思われます。1951年にこの写真5と6で見られるように通常の凸形に改造、4フィートト8 1/2インチゲージ1435o)に改軌されデ81形デ81〜83と改番され大阪線に転属しました。その後デ35形35〜37に改番され、写真のように主に工事用列車を牽引していましたが、1976年に全車が廃車されました。
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