古い車輌の写真

京福電鉄福井支社 6 EL テキ512

テキ512

RP316 Web#=506 掲載2010/6/1

写真1〜3はテキ511形512、1973/6/3京福電鉄福井支社福井口車庫にて。

このテキ512の前身は本線用電気機関車としては日本で初めて就役した10000形10001で、後にEC40形EC40 2に改番されました。1941年に4両が京福電気鉄道に払い下げられ、その内2両(EC40 1とEC40 2)が、同社のテキ511、テキ512となって京福電鉄福井支社の越前本線や三国芦原線の貨物列車用として使用されました。

当時は小型のモーターがなかったので、大型のモーターを車内に設置しジャックシャフトとサイドロッドで動力を伝えていました。ロッドの動きにあわせてユサユサとピッチングしながら走っているユーモラスな姿が動画として残されています。

京福電鉄入線に際してラック関係の機器が全て取り払われ、片側のボンネットを撤去した跡には入換作業用のデッキ(写真2)が設けられました。

テキ511は復元保存のために1964年国鉄に譲渡され、代わりのテキ531(元国鉄ED2811)が国鉄から譲渡されてきました。残ったテキ512は1970年で廃車となり、長い間福井口車庫に留置されていました。

国鉄アプト式電気機関車 10000

写真3と4は10000形10000、1976/6/4国鉄信越本線横川駅近くの旧軽井沢駅舎記念館にて。

国鉄のEC40形電気機関車は信越本線横川〜軽井沢間の碓氷峠が1912年に電化されたときに輸入されたアプト式電気機関車です。1912年にドイツのAEG(アーエーゲー)とエスリンゲン社(Esslingen)の合作で12両が輸入されました。当初は10000形10000〜10011と称していましたが、1928年にEC40型EC401〜EC4012に変わりました。

当初は両運転台でしたが、後に山上側の運転台が取り除かれ片運転台となりました。駅等ではポール集電でしたが、パンタグラフに載せかえられています。アプト式区間では小断面のトンネルをくぐるために第3軌条集電と言う危険な方法をとらざるを得ませんでした。

後継機であるED42形の就役に伴い1936年全車が廃車されました。2輌が長らく京福電鉄で活躍していましたが、1964年に保存のために国鉄に戻され原型の10000形10000として復元されました。

原型では自重46.0t、出力420kwであまり強力な電気機関車ではなかったようです。

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