古い車輌の写真

静岡鉄道 駿遠線 8 ハニ1、ハ7

RP330 Web#=520 掲載2010/10/26

静岡鉄道駿遠線には藤相鉄道と中遠鉄道からの継承した客車、他の軽便鉄道から移籍してきた客車、駿遠線の自社工場で新造した客車が在籍していました。客車は全て2軸ボギー車だけで、車体は軽便鉄道らしさ満点の木造縦羽目板張のダブルルーフ車から、自社製の全鋼製車体のものまで全部で41輌が在籍していました。

優れた技術者を抱えていた駿遠線の自社工場では完全な客車新製、古い木造客車の鋼体化改造、ガソリンカーの客車化など大掛かりな作業も盛んに実施されていました。

ハニ1

写真1と2はハニ1、1967/8/23静岡鉄道駿遠線新袋井駅にて。

元の藤相鉄道からの継承した車輌で1924年、名古屋電車製作所製の木造荷物合造車。妻面に窓が無い側には2tの荷物が積み込めるようになっていました。荷物室側の有蓋貨車のような外観はモケイゴコロをそそります。反対側の客室妻面は3枚窓貫通扉無しのデッキとなっていました。2輌在籍していた内のハニ1は荷物室が両開扉、ハニ2は片開扉という違いがありました。

最大長は9.2m、自重5.0t、定員32名で車内は白熱灯。片デッキ式でアーチバー式台車を履いていました。客室部分は他の客車と同じクリーム色と青色のツートンカラーでした。

キングポスト付き、縦羽目木造、小さなアーチバー台車、朝顔型連結器、合造車と軽便鉄道の魅力満点でした。

ハ7

写真3と4はハ7、1967/8/23静岡鉄道駿遠線相良駅にて。

元藤相鉄道からの継承車で、藤相鉄道時代の旧番号はホハフ3。1913年に日本車輌で作られた木造客車でした。妻面に3枚の窓があり、両端にデッキが付いていました。最大長は9.4m、自重4.1t、定員48名で車内は白熱灯、小型のアーチバー式台車を履いていました。

こちら側のデッキ外部にはハンドブレーキの減速ギアが取り付けられていました。普通は半円柱状の大きなカバーがあり、その中に水平に手ブレーキ・ハンドルが入っているのですが、静岡鉄道駿遠線では極めて小型の独特のギア・ボックスが使われていました。

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