古い車輌の写真

静岡鉄道 駿遠線 10 ハ11、ハ12

ハ11

RP332 Web#=522 掲載2010/10/28

写真1〜4はハ11、1967/8/23静岡鉄道駿遠線相良車庫にて。

ハ11は前ページのハ10と同じ経歴で、中遠鉄道のロボ6でした。1913年日本車両で製造された木造2軸ボギー客車で、最大長は9.4m、自重4.3t、定員50名で車内は白熱灯、アーチバー式台車を履いていました。

両端が切り落とされた古いタイプのダブルルーフが特徴で、妻面は3枚窓両端デッキ付きの車体でした。

これも軽便鉄道の客車らしいスタイルで、ダブルルーフのトルペード型ベンチレーター2個が魅力を添えています。

ハ11のインテリアです。長い年月が経って塗り重ねられたワニス塗装は濃い色に変わっています。前のページのハ9は天井が張られていましたが、このハ11は天井が張られてなくて垂木(タルキ)が剥き出しです。屋根の車内側には薄いミルクコーヒーのような色のオイルペンキが塗られていました。

この写真を撮影した頃はもう塞がれていましたが、車内からダブルルーフの明り取りの窓が見えます。夜汽車で薄暗い白熱灯の明かりが、この細長いダブルルーフの窓から漏れて見えるのは風情のある光景だったことでしょう。

ハ12

ハ12とハ13は1913年の日本車輌製で、中遠鉄道からの承継車でした。木造2軸ボギー客車で、最大長は9.4m、自重4.1t、定員50名で車内は白熱灯、アーチバー式台車を履いていました。

原型の両端デッキ妻面は3枚窓でしたが後に改造されて2枚窓に、側面は12枚窓から8枚の大きな窓に改造されています。