古い車輌の写真

静岡鉄道 駿遠線 12 ハ101、102、103、105、107

ハ101

RP334 Web#=524 掲載2010/10/30

写真1はハ101、1967/8/23静岡鉄道駿遠線相良車庫にて。

静岡鉄道駿遠線は戦後の食糧難で都会から沿線の農村地帯に買出しに来る乗客で混雑し、車輌不足に悩まされていました。各地の中古木造客車も購入されていましたが、到底足りず自社の袋井工場と大手工場で1956年から客車の新造を始めました。

ハ102

写真2はハ102、1967/8/23静岡鉄道駿遠線新袋井駅にて。

写真1のハ101はその第1号、写真2のハ102とともに1956年製、半鋼製車体に最初から客用扉を装備し蛍光灯照明の近代的な客車として就役しました。最大長は10.6m、自重は半鋼製車体のために7.5tと重くなりましたが、定員は75名とかなり収容力が改善されました。しかし台車は依然として旧式のアーチバー式台車を履いていました。

設計陣はインダストリアル・デザインまで考えが及ばなかったようで、幕板が広くお洒落でない実用一点張りの車体でした。クリーム色と青色の塗分塗装で幕板の幅がわかりにくいようになっています。

ハ103

写真3はハ103、1967/8/23静岡鉄道駿遠線相良車庫にて。

自社の工場で1956年に第2陣としてハ103とハ104の2輌が製造されました。車体の仕様は第1次と全く同じで、スマートな客車とはいえないでしょう。最大長は10.6m、自重は7.5t、定員は75名です。台車は自社工場で製造した軸バネ式となり、車輪の直径も従来の508mmから580mmと大きくなりました。発表されている最大寸法は殆んど同じなのですが、屋根が分厚くなったように見えるのはなぜでしょう。

ハ105

写真4はハ105、1967/8/23静岡鉄道駿遠線相良車庫にて。

ハ105はハ106とともに自社の工場で1957年に2輌作られました。車体の仕様は第1次と全く同じでした。

ハ107

写真5はハ107、1967/8/23静岡鉄道駿遠線相良駅にて。

ハ107〜ハ111の5両が1958年に自社の工場で作られました。車体はハ101と同じ旧態依然とした素っ気無いデザインの四角い半鋼製の箱でした。

次のハ108からは張上げ屋根で妻面に丸みが付き上窓がHゴム支持、ノーシル・ノーヘッダーと近代的なデザインとなりました。