古い車輌の写真

国鉄の回送列車

コヤ90

RJ139 Web#=546 掲載2010/12/18

写真1はコヤ90形コヤ901、1963/4国鉄横須賀線。

1964年に開業予定だった新幹線の大柄な電車を車輌メーカーから新幹線の基地まで仮台車を履かせて回送するために、途中に障害物がないかどうか確認しなければなりません。そこで1961年に国鉄大船工場でオロ31104の台枠から上の部分を撤去して、新幹線車両輸送限界測定用試験車コヤ901が改造により造られました。台枠は新幹線の台車中心間隔17.5mに合わせて中央2箇所で継ぎ足されました。それでも長さが取りないので両端のオイラン部分(矢羽根のような測定センサー)は両側につないだチキ(平貨車)に覆いかぶさるようになっています。1990年に廃車となりました。

コキフ10000

写真2はコキフ10000形コキフ10000、1966/5/7国鉄東海道線岸辺駅近くの側線。

出来上がったばかりのまっさらなコキ10000形トップナンバーとコキフ10000形の編成です。係の人たちが軸箱などを覗き込んでいるので、回送ではなくて試運転列車だったかも知れません。

ザンビア向け無蓋車

写真3はザンビア向け無蓋車、1966/12/27東海道線熱田駅。

中京倉庫で韓国向けに製造されたミカド型蒸気機関車を撮影した帰路、隣接する熱田駅で銀色に輝くザンビア向け無蓋車(ハイサイド・ゴンドラカーでしょうか)を見つけました。これから甲種鉄道車両輸送で名古屋港へ送ら、船積みされるのでしょう。手前に半分写っているのは乙種鉄道車両輸送に使用する日本車輌の私有貨車シム1形シム3。

名古屋地下鉄 799

写真4は名古屋市営地下鉄向け電車721、1969/3/8東海道線尼崎駅。

ナニワ工機(後にアルナ工機を経てあるな車輌)の最寄り駅尼崎で、TR-41系の回送用仮台車を履いて貨物列車を組成したところです。

フラットカーに乗った貨車移動機

写真5はチキ3328に載せられた半キャブ貨車移動機、1969/7/20山陽本線加古川駅。

小型の貨車移動機は低速度専用でホイールベースがとても短く、本線走行は出来ません。点検のために国鉄の工場へ回送するには、このような専用の貨車に搭載しなければなりませんでした。チキの左端に巻上げ用のウインチが設置されているのに注目してください。

新日本製鉄向けディーゼル機関車

写真5は新日本製鉄向けディーゼル機関車70DD-2形D703、1974/4/20山陽本線加古川駅。

新日本製鉄八幡製鉄所が日本車輌で第2次防音形ディーゼル機関車として新造し、八幡まで回送されるところを加古川駅で撮影できました。低速運転用のスイッチャーですが仮台車を履いていないようで、このまま八幡まで電気機関車に牽引されて突っ走るのでしょう。

長く鉄道ファンをやっていると、時たまこのような珍しい光景に出会えてうれしいものです。

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