古い車輌の写真

吹田第一機関区 4 9600-1

19660

RJ143 Web#=550 掲載2010/12/31

写真1と2は9600形19660、1966/5/28国鉄吹田第一機関区。

吹田第一機関区は広大な吹田操車場の傍に位置しており、たくさんの入換用機関車が配属されていました。吹田操車場は日本で最も広い操車場で、ハンプに貨車を押し上げるのには強力な蒸気機関車が要求されていました。

したがって9600のような中型の蒸気機関車は、ここでは実用的ではなかったようです。私が吹田第一機関区を3回見学していますが、撮影できた9600はこの記事の19660と次の記事で取り上げる19664の2輌だけでした。

扇形庫の隣の線にもう旧塗装の初期型DD13が入っています。9600はテンダーを含めると94.3tで出力は870PS。DD13は56.1tと軽量で出力も740PSしかありませんでした。これでは9600の代役は務まりません。

写真3と4は9600形19660、1966/10/29国鉄吹田第一機関区。

広い操車場でのハンプ押し上げ作業のような低速長時間運転は当時のディーゼル機関車用液体変速機には過酷なものがありました。9600は単独ブレーキを掛ける場合には機関車とテンダーの重量が効きましたが、DD13のような軽量なディーゼル機関車では重量のある貨車に機関車単独でブレーキを掛けるのには無理がありました。

9600のような低速でも強力な蒸気機関車は各地のヤードで重宝され、結局国鉄で最後まで活躍した蒸気機関車となりました。しかし広大な吹田操車場ではD51やD52のような本線貨物列車用の大型蒸気機関車の入換用として使われていました。