古い車輌の写真

神戸製鋼所尼崎製鉄所 1

RF035 Web#=560 掲載2011/2/2

鉄の都と呼ばれた尼崎市の大庄村に造成された臨海工業用地に電炉メーカー株式会社尼崎製鋼所の工場が出来たのは1932年です。1937年に久保田鉄工所と共同出資して尼崎製鉄所が創設され、1934年に高炉が築かれました。

1953年に業績不振と労働争議のために倒産、1955年に神戸製鋼所の傘下で再建され株式会社神戸製鋼所尼崎製鉄所となりました。1978年に神戸製鋼所は加古川に新鋭製鉄所を建設し、銑鉄の生産を集中するようになりました。小規模で非効率な尼崎製鉄所は閉鎖され、再開発の対象となって現在では全く製鉄所の面影をとどめておりません。

公道との踏切

写真1はD2500形D2517、1977/5/8神戸製鋼所尼崎製鉄所専用線。

この工場の専用線で公道に面している部分は塀も低くて、製鉄所にしては珍しく写真が撮れるところでした。写真のように陽炎の立つ高温の熔銑台車が公道の踏切を堂々と横切っていました。今は工場が無くなって再開発されています。

尼崎工場専用線の機関庫

写真2はD2500形、1977/5/8神戸製鋼所尼崎製鉄所専用線。

低い塀から立派な車庫が見えましたが、見学なんて到底無理とあきらめて公道から覗き込んで撮影。

インゴット冷却

写真3は1977/5/8神戸製鋼所尼崎製鉄所専用線。

2軸のフラットカーに積み込まれたたくさんのインゴットに水を掛けて冷却しているところです。まるで大型爆弾が投下されたような巨大な湯気の塊が立ち昇っていました。

写真4は1977/5/8神戸製鋼所尼崎製鉄所専用線。

ビレットとかシートバーとか呼ばれている半製品の鋼塊を積み込んだ無蓋車とブレーキを掛けるための控車で組成された列車?です。ここの製鉄所は規模がとても小さく、専用線列車もこのように小規模のものでした。

川崎製鉄西宮工場専用線

写真5はD2?、1977/5/8川崎製鉄西宮工場専用線。

神戸製鋼所尼崎製鉄所の隣町である西宮市の南端の海岸沿いに、同じような規模の小さい製鋼工場がありました。1960年代には縦型ボイラーを備えた珍しい構造の蒸気機関車が活躍していました。私も西宮市の北端にずっと住んでいるのですが、ここまで出かける方法を知らなかったので撮り逃がしたのは残念至極です。1977年にマイカーで訪問した時は、写真5のように小型(貨車移動機クラスの)のディーゼル機関車がちんまりと停まっていました。

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