古い車輌の写真

物資別適合貨車

ワキ10000

RJ154 Web#=565 掲載2011/2/6

写真1はワキ10000形ワキ10000、1966/5/7国鉄東海道本線梅田貨物駅。

梅田貨物駅で開催されていた新型貨車のお披露目に行ってきました。出来立てホヤホヤのワキ10000トップナンバーです。増備車は銀色のアルミ製扉と薄い黄緑色に塗装された妻板になりましたが、この第一号車は車体全体が上品な深緑色に塗装されていました。

ワキ9000

写真2はワキ9000形ワキ9000、1966/5/7国鉄東海道本線梅田貨物駅。

物資別適合輸送とは国鉄が1965年ごろから輸送する貨物にあわせて専用の貨車と荷役設備を開発して実施した輸送サービスのことです。そのためにたくさんの新機軸を備えた貨車が開発されました。その中でワキ9000形2輌は濡損を嫌う冷延コイルを屋根を開いて積み込むために開発されました。同じ用途として5輌作られたトキ1000形のようにアコーデオンドアのようなキャンバス地の幌を備えた貨車も作られました。しかしどちらも構造が複雑で高価だったために、ごく僅かしか就役しませんでした。鋼塊(ビレット、シートバー、インゴット等)や厚板を運ぶ無蓋の貨車は、チキやトキからの安価な改造で様々な形式が就役しました。

ホキ2200

写真3はホキ2200形ホキ2200、1966/5/7国鉄東海道本線梅田貨物駅。

養鶏や畜産に用いる飼料は袋詰め輸送から、ホキ2200などによるバラ積み輸送に変わって行きました。国鉄と飼料メーカーの共同出資で日本飼料ターミナル株式会社が設立、全国にストックポイントが設けられ1160輌ものホキ2200形が縦横に活躍していました。

ク9000

写真4はク9000形ク9000、1966/5/7国鉄東海道本線梅田貨物駅。

自動車工業が急速に成長する時期に国鉄は自動車輸送を誘致するために専用の車運車ク9000形2輌を試作しました。試作車2輌は量産車ク5000形に改番され、合計で932輌も作られ全国で活躍しました。

チキ900

写真5はチキ900形チキ900、1969/9/1国鉄山陽本線姫路市場駅。

長さが20mもあるH形鋼やコンクリートパイルのような長尺重量物を運ぶために1968年に1輌だけ試作されたフラットカーで、40t積み、長さは21.6mもある3軸ボギー車でした。

ホキ2603

写真6はホキ2500形ホキ2603、1971/1/15国鉄東海道本線大垣駅。

石灰石専用車として1967年から192輌製造。

1968年ころはたくさんの貨車が開発され国鉄の収益に寄与していましたが、この後ストライキが多発して荷主の信用を失ってしまい、鉄道貨物輸送は細々としたコンテナ輸送以外は全滅となりました。国鉄が大都市に持っていた広大なヤード、数万輌の貨車や強力な機関車が無用の長物と化したのは国民経済や環境保護の観点からも惜しいことです。

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