古い車輌の写真

社型救援車 クエ9424

社型救援車 クエ9424

RJ025 Web#=61 掲載2008/2/5

網干電車区で1974/6/9に撮影したクエ9424で、国鉄部内で社型と呼ばれる私鉄の買収車です。元は南武鉄道で1941年に帝国車輌で10輌製造されたモハ150型モハ150〜159の一員です。

制御車クエなのにパンタグラフを載せているのは、車内のクレーンを動かす動力用です。

強烈な個性を放っている関西の私鉄を見慣れた私の目で見ると、このような関東型の電車はこよなく優しい顔つきに感じられます。同じようなデザインの電車は帝都電鉄、東横電鉄、目黒蒲田電鉄、鶴見臨港鉄道などに多数在籍していました。

南武鉄道買収直後はそのままの番号で、古巣の南武線で活躍していました。1両は戦災で失われています。国電が入るようになると宇部線や可部線に転属し、その頃社型の形式称号モハ2000を名乗るようになりました。7両が今度は富山港線(今の富山ライトレール)へ移って、1500V昇圧まで使われ廃車となりました。

残った2輌の内1輌は豊川工場の入替用となり、もう1輌は津田沼電車区の救援車に改造されました。そのときに車体中央部の大きな両開扉が明けられ、車内の天井にクレーンが設置され、その動力用にMGとパンタグラフが搭載されました。

写真のクエ9424の経歴をまとめると下記のようになります。
南武鉄道モハ150型モハ156帝国車輌で1941年製→買収で鉄道省モハ156→改番でモハ2004→クモハ2004→救援車に改造クエ9424→1985年廃車

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