古い車輌の写真

加悦鉄道 5 DL

DB201

RP369 Web#=589 掲載2011/4/28

写真1〜3はDB20形DB201、1976/12/4加悦鉄道加悦機関庫。

戦後の石炭価格高騰のために、資金力に乏しい地方鉄道の間で蒸気機関車の足回りを流用して安価にディーゼル機関車を導入する動きがありました。戦後の物資の無い時代であったので、車体外観のデザインなんて2の次で装甲車のような無骨な格好をした小型ディーゼル機関車が作られていました。

1953年に森製作所でDB201として、蒸気機関車の下回り流用ではなくて完全な新造車として竣工しました。
1999年に復元されて加悦SL広場で動態保存されています。。

運転整備重量10.0t、全長5.7m、B凸形車体、出力130HP。6シリンダーで8550cc、燃料タンクは僅かに80リットルでしたが、短距離の平坦線で軽い客車数輌を牽引するには十分だったのでしょう。

このような無骨な小型ディーゼル機関車を作った森製作所は、過去の会社なのかと思っていたのですが、私の地元兵庫県の伊丹市で今も盛業中とのことです。

1932年に森貫一氏が内燃機関車メーカーとして森製作所を大阪市此花区で創業。
1954年に鉄道車輛製造業から撤退。現在は搬送機械組立据付や製鉄装置、鍛圧機械装置などを製造しているそうです。

DC351

写真4と5はDC35形DC351、1976/12/4加悦鉄道加悦機関庫。

岩手県八戸市にあった南部鉄道が1956年に汽車会社で製造したL型ディーゼル機関車です。重量35.0t、全長8.2m、出力300Hp、液体式変速機、アウトサイド式フレームを持ちジャックシャフトとサイドロッド駆動。
1967年に日本冶金に譲渡されましたが、車籍と運行管理は加悦鉄道でした。

このディーゼル機関車はC型としては異例に重く35tもありました。車体は当時の汽車会社の標準型で、角に小さな丸みを付けた優しい印象を与える優れたデザインでした。

現在は加悦SL広場で保存されています。

DD352

写真6はDD35形DD352、1976/12/4加悦鉄道加悦機関庫。

DD352は1974年に川崎重工で新造したもので自重35.0t、全長11.2m、DMH17SBエンジン2基搭載で出力300Hpでした。これは前述のDC351と同じ重量と出力でした。
1984年の貨物営業廃止まで主力機関車として活躍しました。後に常磐線日立駅に接続する日立セメントの専用線で2006年の廃止まで使われていました。

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