古い車輌の写真

水間鉄道 2 250、360

251

RP376 Web#=596 掲載2011/5/5

写真1はモハ250形251、1969/11/9水間鉄道貝塚駅。

1958年に全鋼製の251がナニワ工機(後のアルナ車輌)で作られました。当時の水間鉄道は古い木造車2輌と半鋼製車3輌の陣容でしたが、湘南電車の影響を受けたデザインのスマートな新品全鋼製車体は大変喜ばれたことでしょう。全長15.9m、自重29.0t、定員110名、出力48.5Kw X 4。必要な資金は500万円の増資でまかなわれました。台車は南海電鉄クハ102の履いていたブリル27MCB2、制御器は南海電鉄でズームカーの試作テストに使われたモハ1024の流用、モーターはモワ2002の流用とコスト削減の努力の跡が見て取れます。

252

写真2はモハ250形252、1969/11/9水間鉄道水間車庫。

1962年に製造されました。251よりも少し車体が長くなっています。

写真3はモハ250形252の廃車体、1977/11/20水間鉄道水間車庫。

252の廃車体は写真のように水間車庫でダルマとなっていました。新車として入線した251と252ですが、南海電鉄から大量(12輌)に譲渡されたモハ1201系で保守作業を合理化するために犠牲となったものでしょう、1972年に251と252は廃車となりました。

362

写真4はモハ360形362、1970/11/3水間鉄道貝塚駅。

1956年に淡路島にある淡路交通は南海電鉄より2輌の木造電車を購入しました。1924年梅鉢鉄工所製の電8形132と1921年川崎造船製電5形120で、南海電鉄から譲渡される時はモハ1000形1025と1027となっていました。
1957年に昭和車輌工業所で半鋼製の車体を新造し淡路交通モハ1010とモハ1011になりました。全長15.9m、自重33.0t、定員90名、台車はブリル27MCB2、出力52Kw X 4。当時としてはノーシル・ノーヘッダーのスマートな車体で淡路交通は全車をこの形態に改造する計画がありました。

363

写真5と6はモハ360形363、1970/11/3水間鉄道貝塚駅。

1967年淡路交通の鉄道部門廃止に伴い、モハ1010とモハ1011の2輌の電車を購入しモハ362とモハ363としました。

写真を撮影した頃の362と363は錆止め塗料のような、くすんだ茶色に塗装されていました。写真6のように曇り空の下では肉眼で眺めても極めてコントラストが低く、みすぼらしい印象が残りました。

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