古い車輌の写真

阪神電鉄 4 3301、3501、3901

3303

RP392 Web#=612 掲載2011/5/30

写真1と2は3301形3303、1977/5/8阪神電鉄甲子園線武庫川駅。

1958年〜1959年に両運転台の3301形3301〜3304の4輌と3501形3501〜3520の20両が、全車電動車として川崎車輌、日本車輌製造、汽車製造で製造されました。

3扉の車体、正面に貫通扉が埋め込まれ、シールドビームのヘッドライトが2灯左右に離して幕板部分に埋め込まれるデザインの始まりとなりました。阪神電鉄はこの先頭の同じデザインを、急行用としても普通列車用としても長期に渡って踏襲しました。両運転台の3301形は急行の増結運用に使われましたが、武庫川線の単行運用にも使われていました。

写真を撮影した頃の武庫川線は単行運用でした。
1975年に3301形はユニットクーラーを搭載しましたが、本来の用途が増結用でクーラー電源を他車に依存する仕様だったために単行ではクーラーを動かすことは出来ませんでした。これは後に沿線人口が増えて2輌編成になるまで解決しませんでした。
1986年に3301形は4輌共廃車になりましたが、車体は京福電鉄へ4両とも譲渡され、モハ2201形2201〜2204となりました。モハ2201は事故で失われましたが、残りはえちぜん鉄道に継承されMC2201形MC2202〜2204となりました。
2009年にMC2202と2203が廃車となりましたがMC2204は2011年現在も活躍中です。

3510

写真3は3501形3510、1977/5/8阪神電鉄芦屋駅。

3301形と同時に3501形は基本編成用として片運転台で製造されました。
1965年に1500Vへの昇圧工事施工。
1973〜1974年に冷房化。
1978年に方向幕が貫通扉の上に設置され、正面の印象が変わりました。
1986〜1989年に3501形は8000系に置き換えられて廃車となりました。

写真4は3501形3510、1977/5/8阪神電鉄西宮駅。

従来の800系や1100系などに代表される14m級小型車から脱皮した、19m級3扉ロングシートの車内や貫通式の前面とという基本設計は現在も増備が続いている最新鋭車9000系、9300系、1000系といった車両まで長く踏襲されています。

3522

写真5は3501形3522、1977/5/8阪神電鉄芦屋駅。

阪神電鉄にとっての最初の特急用大型車3011形や最初の普通列車用大型車初代5001形は当時流行していた湘南形電車の影響を受けていました。次に作られた3301形や3501形で実用的なデザインに脱皮し、日本中の電車のデザインに大きな影響を与えたのではないでしょうか。

3901

写真5は3901形3901、1977/5/8阪神電鉄西宮駅。

1974年と1977年に西大阪線用として4輌編成3本で12両が武庫川車輌で作られました。伝法線として開業し、次いで西大阪線、そして近鉄相互乗り入れに伴い阪神なんば線と改称されました。この区間には高架線から地下線に降りる50パーミルもの急勾配があり、専用の3901系が作られました。なかなか近鉄乗り入れが実現しない間に少数形式である3901系は運用上不便な存在になっていたようです。特に3901の編成は新造後10年もたたない内に原因不明の脱線事故を数回起こしてしまい、1986年に廃車となってしまいました。残りの編成は3連2本が組み合わされて8701系となり、2009年には当初の未ク的である近鉄への乗り入れを果たさずに廃車となりました。残りの2輌は7890形と7990形となり武庫川線専用車として現在も活躍中です。
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