古い車輌の写真

近江鉄道 1 1、131、1213、1501

近江鉄道 彦根駅

RP427 Web#=706 掲載2012/3/1 修正1 2012/7/28

近江鉄道は1896年設立、1898年最初の区間が蒸気機関車で営業開始と長い歴史を持っております。1943年に西武鉄道の傘下に入りました。1944年に八日市鉄道(湖南鉄道→琵琶湖鉄道汽船→八日市鉄道)を合併しています。

近江鉄道の彦根工場は長い歴史を持ち、車輛の改造に関しては大変優れた技術を持っています。明治末期から大正時代にかけて2軸客車2輌の台枠と車体を結合してボギー車に改造するという大がかりな改造工事を実施しました。

戦後の車輛事情が切迫した時はあちこちから買い集めた中古車体の短縮化改造と、手持ちの電装品や台車を組み合わせて電車を作り上げるという模型の世界のような大工事を行っています。名義上だけの車籍継承、車体の載替、中古車の購入や改番が重なり車歴は複雑怪奇と言わざるを得ませんが、実態は手持ち部品や台枠を流用し新しく作った鋼体と組み合わせた自社工場製新造車でした。

4

写真2はモハ1形4、1975/3/29近江鉄道彦根駅。

1923年に神戸姫路電気鉄道は川崎造船所兵庫分工場(現在の川崎重工業兵庫工場)で木造シングルルーフの1形1〜15の15輌を製造。1500Vながらポール集電でした。
1927年に神姫電鉄と兵庫電気軌道が宇治川電気に買収され、車輛限界の狭い兵庫電気軌道と直通させるために、車齢4年の1形の車体を廃棄して電装品を副電圧に改造して新造の車体と組み合わせて51形が作られました。
1928年に1〜9の車体だけが宇治川電気傘下の近江鉄道へ譲渡され、新造の電装品や台車と組合わせてデハ1形1〜9として竣工、後にモハ1形と改番。
1963年近江鉄道彦根工場で車体を新造しました。写真1の4は元デハ4です。

1219

写真3はクハ1213形1219、1975/3/29近江鉄道彦根駅。

1963年に木造のクハ1210を鋼体化してクハ1213形1219となりました。

131

写真4はモハ131形131、1975/3/29近江鉄道彦根駅。

1925年に武蔵野鉄道は木造電車デハ130形131と132の2輌を汽車会社で製造しました。
1944年旧西武鉄道と武蔵野鉄道が合併して西武農業鉄道となりモハ131形と132に改番。
1949年近江鉄道は譲渡されモハ131形131と132になりました。
1957年にシングルルーフに改造。
1961年に自社彦根工場で近江形の車体を作って鋼体化されました。
1995年に廃車。

1502

写真5はクハ1501形1502、1975/3/29近江鉄道彦根駅。

1969年から1983年にかけて自社の彦根工場で500形+1500形の編成で6本製造されました。書類上は改造で前歴の電車があるのですが、実質的には手持ちの部品を活用して車体を新造したものです。

10

写真6は近江モユニ10形10、1975/3/29近江鉄道彦根駅。

1928年武蔵野鉄道が川崎造船所でデハ5550形5551〜5554の4輌を製造。
1945年武蔵野鉄道が西武鉄道(旧)と合併、デハ5550形はモハ231形231〜234と改番。
1963年モハ232が近江鉄道に譲渡されモユニ10形10となりました。全長17.0m、自重32.5t、出力85kwX4、台車はDT-10A。

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