古い車輌の写真

近江鉄道 8 ED14、DD45 1

ED14 1

RP479 Web#=713 掲載2012/3/11

写真1と2はED14形ED14 1、1975/3/29近江鉄道彦根車庫。

1926年鉄道省はアメリカのゼネラル・エレクトリック(GE)社から直流用電気機関車1060形1060〜1063の4輌を輸入しました。同社から1923年に輸入した1010形(後のED11形)2輌に続くもので車体のデザインは良く似ていました。
全長11.2m、自重60.0t、直流1500V用で出力128kwX4=512kw、B+Bでイコライザ付板台枠台車を備えていました。

この頃、鉄道省は電気機関車の国産化を狙って各国からいろいろな電気機関車を少数サンプル輸入して研究していました。
輸入された輌数は少ないのですがアメリカ製のED11、ED14、EF51形は手堅い保守的な設計で、当時の日本の技術でも保守できて好評で、国産電気機関車の設計思想(保守的で安価、標準化)に大きな影響を与えました。
外務省とイギリス政府の圧力で最もたくさん輸入したED50形(後のED17)、EF50形などは最新の技術を狙った意欲作でしたが、日本の貧弱な線路と保守技術では故障が頻発して評判は良くありませんでした。
スイスから少数輸入されたED54形は最先端の複雑精巧なブフリ式駆動装置が災いして、すぐに使われなくなりました。

ED14 3

写真3と4はED14形ED14 3、1975/3/29近江鉄道彦根車庫。

1928年の車両形式称号規程改正によりED14形ED14 1〜4に形式称号と番号が改められました。
1960年ED14 2と3は仙山線を最後に国鉄を廃車となり、近江鉄道へ譲渡され番号はそのままで、石灰石や石油の貨物列車などに使用されました。
1966年ED14 1と4も仙山線を最後に国鉄を廃車となり、近江鉄道へ譲渡されました。ED14形は軸重が15tもあるヘビー級で、高宮駅と尼子駅の間にある犬上川橋梁が重量制限の為に渡れず、多賀〜米原間に運用が限定されていました。

1988年の貨物営業廃止に伴い除雪作業、構内の入換作業などに従事していました。
2004年ED14 2と3が廃車となり車籍を失いましたが、彦根駅構内に開設された「近江鉄道ミュージアム」に綺麗な状態で保存されています。
ED14 4は国鉄時代のブドー色に塗装されて休車状態で保存されています。

DD45 1

写真5はDD45形DD45 1、1975/3/29近江鉄道彦根車庫。
1963年に小名浜臨港鉄道(現在の福島臨海鉄道)が富士重工宇都宮製作所でB-Bセンターキャブ形ディーゼル機関車DD451形DD451を製造しました。
全長13.3m、自重で45t、DMH17SBエンジンX2で出力640PS、液体式変速機、サイドロッド駆動。
1973年近江鉄道に譲渡。
1974年から麒麟麦酒滋賀工場〜多賀駅間の貨車入換牽引用として運用。
1988年貨物営業の廃止に伴い休車。
2004年廃車、解体されました。

近江鉄道にはDD45 1の他に国鉄から譲渡されたDD13 104、新日鉄八幡製鉄所から譲渡されたDD35形D340等が在籍していましたが、ことごとく2004年彦根駅構内の改修工事の際に解体されています。
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