古い車輌の写真

近江鉄道 9 貨車

ワ92

RP480 Web#=714 掲載2012/3/12
修正1 2011/3/15

写真1はワ92、1975/3/29近江鉄道彦根車庫。

近江鉄道は1896年創立、1898年に最初の区間が蒸気機関車で営業を始めた地方鉄道です。関西に多い路面軌道が出自の電鉄とは車輛構成が異なり、国鉄を縮小したようで客車や貨車がけっこう多数在籍していました。トラックが普及する前は地方の産物を運び出す為の貨物営業が盛んで、国鉄からの払下げ貨車も数多く活躍していました。

貨物鉄道博物館 ワ5490

写真2は国鉄ワ1形ワ5490、2008/10/30三岐鉄道三岐線丹生川駅前に在る貨物鉄道博物館

1906年北越鉄道(現在のJR信越線の一部)は新潟鐵工所で8トン積の有蓋車を製造しました。
1907年鉄道国有法により買収され逓信省帝国鉄道庁の信越本線となりました。200輌有った有蓋車も買収され、写真1と2の有蓋車はワ1形ワ5490となり全国運用になりました。
大正時代に荷重を増トン改造(10トン積に増やす改造)を受けました。
戦後は近江鉄道に譲渡されワ92となって活躍。
2003年に貨物鉄道博物館に収蔵されました。
2008年に復元工事が完成し公開されました。増トン改造後の姿を忠実に再現されていて、現存する木造貨車としては最古級です。
この写真は貨物鉄道博物館の方の好意でここに掲出するものです、複写やD/L禁止。

ワ105

写真3はワ100形ワ105、1975/3/29近江鉄道彦根車庫。

車輛の改造はお手の物の近江鉄道彦根工場なので、古い木造貨車を鋼体化する作業は容易だったと思われます。

テ1

写真4はテ1形テ1、1975/3/29近江鉄道彦根車庫。

写真4の貨車が鋼体化改造されるときに、なぜわざわざ鉄製貨車テを名乗ったのでしょうか?

ワフ1

写真5はワフ1形ワフ1、1975/6/29近江鉄道彦根車庫。

短いローカル貨物列車の殿をキリッと締める有蓋緩急車ワフ1形です。Hゴム支持の車掌室窓は、電気機関車が牽引する列車に良く似合いそうです。

昨今の貨物列車の最後尾は風情のない赤く塗られたオテモヤン2枚になってしまいました。

ワフ5

写真5はワフ1形ワフ5、1975/3/29近江鉄道彦根車庫。

これもワフ1と同様に古い木造ワフを改造したのではないでしょうか。地方私鉄の貨車に関するデータや履歴は、なかなか入手困難です。

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