古い車輌の写真

保線 1 バラスト・クリーナー

ヤ110

RM018 Web#=716 掲載2012/3/17

写真1と2はヤ110形ヤ110、1969/3/8国鉄東海道本線尼崎駅保線区。

鉄道線路は地面に盛土をしたり切取を行ったりして路盤を作り、この上に砕石(バラスト)を撒いて道床とし、枕木を置いてレールを犬釘(スパイク)で止めて構築されます。永年列車が運行していると細かく粉砕されたバラストや路盤から噴出してきた泥などが道床に溜まって線路の柔軟性が失われ、軌道が陥没したり変形したりして事故の原因となります。これを防ぐにはバラストを新しいものに交換するか、古いバラストを篩(フルイ)にかけて更新しなければなりません。

1956年バラストの更新作業を機械化するためにスイスから輸入された技術でヤ100形バラストクリーナーが作られました。
1960年にヤ100形の改良型として1輌だけ自走式のバラスト交換車ヤ110が作られました。全長15.4m、自重43.9t、ディーゼル電気式バラスト交換車で自走可能となりました。枕木の間から次自動的にバラストを取り出し、篩にかけてごみや砂を取り除き、補充用のバラストを足して元の軌道に自動的に戻す車輛です。
1978年に廃車となりました。

ヤ150

写真3と4はヤ150形ヤ150、1969/3/8国鉄東海道本線尼崎駅保線区。

1958年に1輌だけ作られたバラストクリーナー中間車です。ヤ100やヤ110と共に使用されるもので、別のベルトコンベヤを装備したホキ350形専用ホッパ車から新しい補充用バラストをバラストクリーナーへ運び込み、古いバラストから出たごみや細かい石などを別のホッパ貨車に送りこむためのものでした。
1978年に廃車となりました。

ヤ100、ヤ110、ヤ150は大変大型の保線車両だったので、一人前の車籍を貰っていました。これ以降の増備車は、たとえ超大型の車輛でも保線機械扱いで車籍は与えられないケースがほとんどでした。

写真5はヤ110形ヤ110、国鉄東海道本線大阪駅。

あろうことか! めっちゃ忙しいはずの都心のターミナル駅である大阪駅に、こんな保線車両が側線を占領していました。しかもヤ150形コンベヤ車やホキ350形専用バラストホッパー車をお供に連れていないということは、バラスト交換作業ができない状態です。