古い車輌の写真

近鉄のナローゲージ 1

伊勢地方の軽便鉄道

RP482 Web#=727 掲載2012/5/10

写真1は近鉄北勢線の列車、1967/8/23。

三重県下の近鉄名古屋線、国鉄関西線、参宮線の駅から多くの2フィート6インチゲージ(762o軌間)の軽便鉄道が営業していました。規模の小さな軽便鉄道は戦前に廃止となりましたが、生き残った路線はバス会社の神都交通に戦時合併されました。三重交通の軽便鉄道線は、相互に車輛のやり取りがありました。

近鉄 北勢線

写真2は近鉄八王子線の列車、1970/1/25日永駅。

1914年に北勢鉄道が開業、1916年に全通。
1931年に電化、1934年に北勢電気鉄道へ社名変更。
1944年三重交通へ戦時合併。
1964年鉄道部門が三重電鉄へ分離。
1965年近鉄に吸収合併、近鉄北勢線。
2003年三岐鉄道へ譲渡され、三岐鉄道北勢線となり現在に至る。

近鉄 湯の山線

写真3は近鉄内部八王子線の列車、1970/1/25日永駅。

1913年四日市鉄道が開業、1916年全通。
1921年四日市〜湯の山間を電化。
1931年三重鉄道へ吸収合併。
1944年三重交通へ戦時合併。
1964年鉄道部門が三重電鉄へ分離。
1965年近鉄に吸収合併、湯の山線が1435oに改軌され本線と直通。

近鉄 内部八王子線

写真4は近鉄八王子線の列車、1970/1/25日永駅。

1912年三重軌道開業。
1916年三重鉄道へ営業を移管。
1943年電化。
1944年三重交通へ戦時合併。
1964年鉄道部門が三重電鉄へ分離。
1965年近鉄に吸収合併、近鉄内部線、八王子線となり現在に至る。

三重交通 松坂線

写真5と6は近鉄八王子線の列車、1978/5/14北大社駅付近。

1912年松阪軽便鉄道開業。
1919年松阪鉄道へ社名変更。
1927年電化、1928年松阪電気鉄道に社名変更。
1944年三重交通へ戦時合併。
1964年鉄道部門が三重電鉄へ分離されましたが、同年に廃止となりました。

安濃鉄道、中勢鉄道

軽便鉄道ファンとしては、早期に廃線となった規模の小さな二つの路線を忘れたくありません。

1912年に開業した安濃鉄道はどこの鉄道とも連絡の無い孤立路線で、しかも接続出来なかった区間が途中に挟まっていました。
1944年戦争のために不要不急路線として休止を余儀なくされました。
1972年に復活の努力もされていましたが、資金が集まらず正式に廃止となりました。

1908年大日本軌道伊勢支社の路線として開業。極めて小型の所謂へっつい型蒸気機関車(重量は実に3.5トン)を使用していました。
1920年中勢鉄道となる。
1943年廃止。並行する参宮急行電鉄(後の近畿日本鉄道)の開業で乗客を失ったためでした。

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