古い車輌の写真

阪急電鉄伊丹線 2

伊丹線の550形回送

RP023 Web#=77 掲載2008/2/22
修正1 2012/8/21

写真1は550形2連、1965/2/3阪急神戸線武庫川橋梁。

550形は晩年伊丹線や箕面線で運用されていました。写真1は冬の寒い日に伊丹線の運用を終えて、ねぐらの西宮北口車庫へ回送される550形です。武庫川橋梁が嵩上げされて現在の形になるのはずっと後(2004年)のことです。

565

写真2は550形565、1965/2/3神戸線西宮北口車庫。

阪急電鉄は太平洋戦争直後の物資が無い時に、運輸省の標準型電車の設計で550型を1948年に550〜565の15輌、1951年に最後の1輌の565が竣工しました。最後の565が作られたのは物資も出回り始めたころで、写真2のように標準的な阪急電車の車体設計(下降式の窓に注目してください)に近づいていました。

658

写真3〜5は650形658、1971/3/5伊丹線北伊丹駅。

川崎造船所(現在の川崎重工業)で18両が製造されました。日本初の全鋼製車両で、後に全国各地で「川崎型」と呼ばれる同じデザインの電車が登場しました。17mの3扉下降窓で当初は両運転台でしたが、後に片運転台に改造されました。

最初はモハは600形600〜609、クハは800形800〜807でしたが、電動車化されたりして番号履歴は複雑になりました。写真3は先頭部分のクローズアップです。600系は細部を見ていると相違点が多くて趣味的に面白い電車でした。初期の鋼製車の特徴であるゴツゴツとしてリベットだらけの車体が本来の姿なのですが、更新修繕の際にリベットが少なくなった電車、全くリベットがなくなった電車、原型のままの電車とさまざまでした。ドアと正面運転台の上にあるカーブした水切りは外観に大きな影響を与える部品ですが、この658号は側面の水切りがすべて失われています。

神戸線→宝塚線→今津線→伊丹線と流れてきました。列車無線を搭載してもらえず、1975年に廃車。そのうち602号は日本最初の本格的鋼製電車として川崎重工業兵庫工場で保存されています。
600系が引退してからは、伊丹線は610系の天下となりました。

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