古い車輌の写真

近鉄 貨物電車 3 2720,2730

2731

RP513 Web#=758 掲載2012/7/29

写真1と2はモト2730形2731、1970/1/24近鉄大阪線高安駅留置線。

1930年大阪電気軌道は無蓋貨物電車デトボ1600形1600を日本車輌製造本店で製造しました。全長17.2m、出力112kwX4、奈良線と大阪線で使われたため1,500Vと600Vに対応する複電圧仕様、荷重15tでボールドウィンA形台車をコピーした日立製作所製MI形イコライザー式台車を履いていました。
屋根板が庇のように妻面から飛び出す独特のデザインでした。

竣工後間もなくデトボ1700形1700へ改番。
1941年の参宮急行電鉄と大阪電気軌道が合併し関西急行鉄道となり、形式称号の整理が実施され、モト1700形1700に改番されました。
1963年の形式称号改正ではモト2730形2731へ改番。
1970年にモト90形93へ改番。
1976年廃車解体。

2721

写真3はモト2720形2721、1970/1/24近鉄大阪線高安駅留置線。

1960年近鉄は大阪線の保線作業合理化のために定尺レールなどの保線用資材輸送用としてモト2720形2721と2722の2輌を近畿車輛で製造しました。どちらも片運転台で2輌を背中合わせに連結して運用されます。全長20.8m、出力150kwX4、荷重20.0t。台車は2200系新に装着されていた、形鋼組立イコライザー式台車日本車輌製造D製-22を履いていました。

2722

写真4はモト2720形2722、1970/1/25近鉄大阪線名張検車区。

就役当初はヘッドライトが1灯だけで、妻面の印象はこの写真とは大きく異なります。モト2720形は電装品や台車を何度も交換しており、いまでも現役で運用されています。
1970年モト2721と2722はモト90形97と98へ改番されました。この時期にヘッドライトが2灯化され、更にシールドビーム化(幸いなことにライトケースは大きなままで)されました。

写真5と6はモト2720形2722、1970/1/24近鉄大阪線高安駅留置線。

1982年に台車が近畿車輛製KD-15Bシュリーレン式台車へ交換、ブレーキの整備、あおり戸の撤去、荷台に台車を積載する為の4本のレール設置などの大きな改造工事が行われました。これは狭軌の南大阪線に所属する電車の検査を標準軌の大阪線にある五位堂検修車庫へ集中させるためで、南大阪線の車輛の狭軌の台車2輌分4台をモト2輌に載せ、標準軌の仮台車を履いた2輌をモトで挟んで回送するためです。

1995年に古い電車から再利用した電装品が老朽化してきたために、台車やモーター、制御器等を名古屋線の1800系や奈良線の800系の改造や廃車で発生した中古品に交換して高性能車となり2012年現在も車輛回送用として元気で活躍中です。



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