古い車輌の写真

関東鉄道鉾田線 3 キハ430、600、650

キハ431

RP545 Web#=794 掲載2012/10/2

写真1はキハ430形キハ431、1975/6/6関東鉄道鉾田線石岡機関区。

1957年加越能鉄道は非電化の加越線用としてキハ120形キハ125と126の2輌を東急車輛で製造しました。これは1955年と1957年に起こった車庫の火災でディーゼルカーを焼失した補充です。全長16.5m、自重23.0t、出力120PSのDMF13形エンジンを1台搭載、液体式、菱枠形台車はTS102A、定員68名。
1972年加越能鉄道加越線が廃線。

キハ432

写真2はキハ430形キハ432、1975/6/6関東鉄道鉾田線石岡機関区。

1973年関東鉄道鉾田線へ譲渡、キハ430形キハ431と432となりました。
1979年関東鉄道より分離して鹿島鉄道。
2002年車体更新、妻面の窓が小さくなりました。
2007年路線廃止により廃車。写真1のキハ431は鹿島鉄道記念館で保存(個人所有)されています。

同じメーカーで製造されていた東武鉄道キハ2000形とほぼ同型で、窓が小さくなる前は軽快なディーゼルカーでした。車体が小型のためにエアコンを搭載できず、夏季は運用に入れなかったようです。

キハ601

写真3はキハ600形キハ601、1975/6/6関東鉄道鉾田線石岡駅。

1926年川崎車輌でキハ42000形キハ42032が竣工。
1950年新小岩工場で天然ガス動車キハ42200形キハ42205に改造。
1952年新小岩工場でディーゼルカーキハ42500形キハ42528に改造。
1957年車輛称号規定改正キハ07形キハ07 29。
1964年廃車、長野工場に保管。
1965年鹿島参宮鉄道が譲受、キハ42500形42503。
1965年合併により関東鉄道キハ42500形キハ42503。
1972年西武所沢車両工場で総括制御化と前頭部改造、キハ600形キハ601。
1979年関東鉄道より分離して鹿島鉄道キハ600形キハ601。
1987年ワンマン化改造。1994年冷房化改造。
2007年路線廃止により廃車。キハ601はガソリンカー由来の弱い軽量車体にも拘らず、製造以来71年もの長きにわたって活躍を続けました。
2008年鉾田駅跡地で動態保存。
2009年ほっとパーク鉾田に移送して、引き続き動態保存。

キハ602

写真4はキハ600形キハ602、1975/6/6関東鉄道鉾田線石岡駅。

1937年鉄道省大宮工場でキハ42000形キハ42036として竣工。
1950年新小岩工場で天然ガス動車キハ42200形キハ42207に改造。
1951年新小岩工場でディーゼルカーキハ42500形キハ42531に改造。
1957年車輛称号既定改正キハ07形キハ07 32。
1966年廃車、名古屋工場で保管。
1967年関東鉄道に譲渡、キハ42500形キハ42504。
1972年西武所沢車両工場で総括制御化と前頭部改造、キハ600形602。
1979年関東鉄道より分離して鹿島鉄道キハ600形602。
1987年ワンマン化改造。1994年冷房化改造。
2007年路線廃止により廃車、保存の話もあったが不調で解体。

キハ651

写真5と6はキハ650形キハ651、1975/6/6関東鉄道鉾田線石岡機関区。

1936年東京横浜電鉄(後の東急)は変電所増設費用の抑制のため川崎車輛でガソリンカーキハ1形キハ1〜8の8輌を製造。この後は前のページ参照。
1950年鹿島参宮鉄道鉾田線へ譲渡されキハ8はキハ42200形キハ42202と改番。

その後キハ42202は機械式変速機のままで切妻に改造されました。
1979年関東鉄道より分離して鹿島鉄道キハ650形キハ651。
2007年路線廃止により廃車。

63系を始祖とする切妻の鉄道車輛はたくさん見てきましたが、これほど思い切った単純化は驚きでした。開閉出来ない正面窓では、日差しの強い夏の運転が思いやられます。
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