古い車輌の写真

御坊臨港鉄道 2 キハニ40801

御坊臨港鉄道 キハニ40801

RP027 Web#=82 掲載2008/3/1

この古い形をした気動車は車体標記によると御坊臨港鉄道のキハニ40801です。芸備鉄道が1936年に日本車輌本店で製造した最後の気動車でキハニ19と命名されていました。大きさはキハ41000クラスで地方鉄道向けとしてはかなり大型のもので、エンジンも鉄道省標準のガソリンエンジンGMF13を搭載していました。車内に荷物室が有りましたが、車体の両端にも柵の付いた荷物デッキを備えていました。芸備鉄道はすぐに鉄道省に買収され芸備線となり、このガソリンカーも鉄道省キハニ40801となりました。1943年に廃車となり1947年に御坊臨港鉄道に払い下げられ、当時は燃料事情が良くなかったので最初の内はエンジンの無い単なる客車として使われていました。

御坊臨港鉄道での型式称号はキハ41000形なのですが、国鉄でキハ41000型を名乗ったことはありませんでしたし、写真でご覧のようにどう見てもキハ41000より遥かに田舎じみた車体を持っていました。実車の車体に書かれていた標記はキハニ40801でしたが、車内に設置されていた荷物室も撤去されて、実質的にはキハになっていました。御坊臨港鉄道では在籍輌数も少なかったので、このような暢気な標記でも問題は起こらなかったのでしょう。1976年に大分交通の国東線からキハ603とキハ604が入線してからは休車となり、1981年に廃車になりました。

車体のサイドビューはキハ41000とほとんど変わらなかったと思いますが、前から見たときに嫌でも目に入る荷物デッキと屋根の低い位置に取り付けられたヘッドライトが、田舎ののんびりとした好ましい雰囲気を醸し出していますでしょう。この写真を撮影したのは1971/10/24です。

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