古い車輌の写真

阪急電鉄 8 フイ1500

1501

RP555 Web#=804 掲載2013/2/1

写真1は1500形1501、1970/5/30阪急電鉄京都線桂駅。

この1501の台車に注目してください。アメリカのJ.G.ブリル社が設計した鍛造台車枠イコライザー台車Brill 27-MCB-4Xが、日本製鋼所のライセンス製作によって2両分だけ導入され、フイ501(後の1501)とデイ122(後に1502へ転用)に採用されました。日本に輸入されたブリル製2軸ボギー台車の中で最大のもので、名古屋までの長距離高速運用を目指していたのでしょう。

1503

写真2は1500形1503、1970/5/30阪急電鉄京都線桂駅。

1927年新京阪鉄道はP-6形を501〜510の10輌を神戸の川崎造船所で製造しましたが、翌年にMcに改造し134〜143に改番されました。
1928年に増備された511〜539の内530〜539の10輌は501〜510に改番され空番号を埋めました。500形はTCにも拘らず両運転台だったり、パンタグラフを装備していたりしていました。

1519

写真3は1500形1519、1970/5/30阪急電鉄京都線桂駅。

1929年P-6系のTcにはフイ形という形式称号が与えられました。
1943年京阪電鉄と阪神急行電鉄との合併で京阪神急行電鉄となりました。
1949年京阪神急行電鉄から京阪本線系統が京阪電気鉄道として分離され、旧新京阪線は阪急京都線として残りました。
1950年500形は宝塚線との重複を避けるために1500形に改番されました。

1521

写真4は1500形1521、1969/11/10阪急電鉄嵐山線桂駅。

1933年に片運転台のデイ128〜133を両運転台化する工事が行われました。その時必要になった運転台機器はフイ524〜529から転用され、フイ524〜529は付随車化され、実質的には休車となりました。
1937年フイ522と523、付随車化されていたフイ524〜529が電装され、デイ144〜151に改造されました。

1528

写真5は1500形1528、1970/3/25阪急電鉄京都線正雀工場。

1954年から1958年にかけてフイ1500形も更新修繕が実施されグローブベンチレーター化、制御車のパンタグラフ撤去、片運転台化、大型の幌枠が着脱式の通常型に取替えられました。写真の1528の貫通幌は通常型です。

1971年に1503と1521、1528が廃車。1972年に1501、1519が廃車。1501、1502が履いていたBrill 27-MCB-4X台車は正雀工場に保存されています。

  前のページ 次のページ