古い車輌の写真

阪急電鉄 15 600

658

RP562 Web#=811 掲載2013/5/29

写真1と2は650形658、1971/3/5伊丹線北伊丹駅。

1926年阪神急行電鉄(後の阪急電鉄)は神戸線用として600形(Mc)600〜609の10輌と800形(Tc)800〜806の7輌を製造しました。1928年に事故で廃車となった510の代替新造車として807が増備。
1930年804、805、807が電装され690形690〜692となりました。
1932年残りの800形が電装され、690形が元の800形へ改番。
1934年800〜803と806が電装解除されましたが改番は行われませんでした。
1944年電装解除となった800〜803と806が650形650〜654に改番。Mcのままだった804、805、807が650形655〜657に改番、同一形式でMcとTcが混在していました。

1951年車体更新。
1953年に改番が行われMcは600形600〜609、Tcは650形650〜657となりました。
写真の658は1926年に802で就役、1944年652へ改番、1953年に658へ改番、1975年に廃車。
1975年600形602号は日本最初の本格的鋼製電車として川崎重工業兵庫工場で保存。
2011年から阪急正雀工場で動態まで復元されて保存されています。

後に全国各地で「川崎型」(深い屋根とカーブした水切、お椀形ベンチレーター、リベットだらけの車体が特徴)と呼ばれる同じデザインの電車が登場しました。初期の鋼製車の特徴であるゴツゴツとしたリベットだらけの車体が600
系本来の姿なのですが、更新修繕の際にリベットが少なくなった電車、全くリベットがなくなった電車、原型のままの電車とさまざまでした。ドアと正面運転台の上にあるカーブした水切りは外観に大きな影響を与える部品ですが、写真の658号は側面の水切りがすべて失われています。

伊予鉄道 モハ110形115

阪急の600系は毎日利用していた今津線で運用に就いていたので、写真に残そうという気持ちが全く起こりませんでした。気が付けばほとんどが廃車解体となっていたのは残念です。あちこちの地方鉄道を巡っていると、良く川崎形の重厚な電車に出会いました。

写真3は伊予鉄道モハ110形115、1967/3/27伊予鉄道高浜線古町車庫。

1927年に西武鉄道が川崎造船所で製造したモハ550形モハ551として新製。
1940年モハ100形モハ101に改番、さらに1948年モハ151形モハ151に改番。
1964年に伊予鉄道に譲渡されました。
1989年廃車。特徴のある屋根の水切が全て失われていました。

長野電鉄 モハ600形604

写真4はモハ600形604、1976/6/5長野電鉄須坂駅。

1927年に長野電鉄は全鋼製電車デハ350形351〜354の4輌を川崎造船所兵庫工場製新造。
1929年にモハ350形351〜354に改番。
1953年にモハ600形601〜604に改番。
1981年に写真3の604は上田交通に譲渡されクハ271となり、2代目モハ5271と編成を組んで運用。
1975年上田交通を廃車になってから長野電鉄へ戻り小布施駅の「ながでん電車の広場」にデハ354として保存されています。

津軽鉄道 ナハフ1200形ナハフ1201

写真5はナハフ1200形ナハフ1201、1966/8/5津軽鉄道津軽五所川原駅にて。

1927年と1928年に初代西武鉄道が、現在の新宿線高田馬場駅〜東村山駅間開業に合わせ川崎造船所でモハ550形12輌とクハ600形8輌を製造しました。
1965年に1157、1155、1158の3両が津軽鉄道には譲渡され、運転台撤去の上客車化されてナハフ1200形1201〜1203となりました。

  前のページ 次のページ