古い車輌の写真

阪急電鉄 16 610系-1

RP563 Web#=812 掲載2013/5/30

写真1は610形620、1971/3/5伊丹線稲野駅北方。

京阪神急行電鉄は戦争が終わって沿線人口が急増した宝塚線の輸送力増強の為に、1953年から1956年にかけてナニワ工機で老朽化した木造車1形と51形の36輌改造名義で車体新造しました。小型車を運用していた宝塚線に合わせて、長さは15mしかありませんでしたが車体幅は神戸線規格と同じ2.75mありました。
1977年から1982年にかけて663を除く35輌が能勢電鉄へ譲渡されました。

種車となった木造車1形と51形の履いていたブリル27MCB-2台車やボールドウィンBW-78-25AA台車と主要機器は380形と500形に移設、捻出された380形と500形の住友金属工業製鋳鋼イコライザー台車KS-33と機器にナニワ工機で新造された幅の広い全鋼製車体を組み合せました。

320や500、380のようなスリムで短い電車を今津線で見慣れてきたサイト・オーナーの目には、610系の太目で短い車体はどうもアンバランスという印象が拭えませんでした。

610

写真2は610形610、1976/3/7伊丹線伊丹駅。

1953年に第1次編成610形610-620形620(1次)-630形630-660形660、Mc-M-M-Tcとして竣工。一応610の種車は51形53ですが、53の台車や主要機器は500形や380形へ移設され、木造車体は廃棄されたので名義上の履歴でしょう。610と660は阪急では珍しく正面非貫通です。

631

写真3は630形631、1976/3/7伊丹線伊丹駅。

1953年に作られた第1次編成で620は名義上51形53の改造として竣工、直角カルダン駆動方式の試験車でした。後に631へ改番されました。

660

写真4は660形660、1978/1/16能勢電鉄平野駅。

1953年に作られた第1次編成で660は名義上51形79の改造として竣工。
1977年に登場時の編成で能勢電鉄へ入線。この写真を撮影した時点では車体番号の上の社紋が既に取り替えられていました。
1982年に能勢電鉄に譲渡。
1992年に廃車、最後に残った610-650-630-631-661の5両編成でお別れ運転会が行われました。

611

写真5は610形611、1978/1/16能勢電鉄平野駅。

1953年に作られた第2次編成Mc+Tc+Mc+Tcで、611は名義上51形58の改造として竣工。
1977年能勢電鉄へ入線。
1982年に能勢電鉄に譲渡。

661

写真6は660形661、1976/3/7伊丹線伊丹駅。

1953年に作られた第2次編成で661は名義上51形80の改造として竣工。
1979年能勢電鉄へ入線。
1982年に能勢電鉄に譲渡。
1991年に廃車。

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