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御坊臨港鉄道 4 ディーゼル機関車 DB158、DB2012

DB158

RP029 Web#=84 掲載2008/3/4

御坊臨港鉄道の凸型ディーゼル機関車DB158です。貨車移動機クラスよりも大きくて本線用機関車には少し届かないかなというサイズ、長さ6.5m、重さ15トンでした。元は八幡製鉄所で使われていたB31形177号タンク式蒸気機関車で1947年に御坊にやってきました。1951年に鐘淵ディーゼル製165psのエンジンと機械式4段変速機を搭載してディーゼル機関車に大改造されました。  

この改造工事を行ったのは森製作所で、戦後あちこちの地方私鉄で手持ちの蒸気機関車の動輪や主台枠を再利用した小型ディーゼル機関車を手がけています。なにしろまだ経済に余裕の無い時代の作品なので、車体のデザインはとにかく機械を覆うという実用一点張りでした。そのせいか鉄道ファンからは「森ブタ」というありがたくないニックネームをもらってしまいました。

この寸詰まりなDB158が竣工したために、国鉄から払下を受けたB2012蒸気機関車は予備機となってしまいました。

DB2012

御坊臨港鉄道の凸型ディーゼル機関車DB2012です。このディーゼル機関車も元は1946年立山重工製の国鉄B20形B2012号タンク式蒸気機関車で、1947年に国鉄から借入れ一年後に払い下げを受けました。1954年に森製作所で機械式ディーゼル機関車に改造されました。DB158と同じくらいの大きさで長さ7.4m重量15トン、エンジンは三菱製140psでした。

1953年に和歌山県一帯が大水害に見舞われ、B2012は大きな被害を受けました。蒸気機関車としての復旧ではなくて、森製作所による改造ディーゼル機関車として大修繕が行われました。森製作所の手がけた蒸気機関車改造のディーゼル機関車はこれが最後のようです。このディーゼル機関車は森製作所の作品としては、なかなかスマートなデザインです。特にボンネットやキャブの隅が丸く仕上げられていて優しい印象を与えてくれます。

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