古い車輌の写真

阪急電鉄 25 1010系

RP572 Web#=821 掲載2013/7/6

1954年に阪急は1000形1000〜1003の4輌をナニワ工機で製造しました。戦前からの阪急スタイルを一新した高性能車で、ナニワ工機が新たに独自開発した準張殻構造車体を採用していました。車体の側板がゆるく「く」の字形に曲がっていて窓枠が一段飛び出しているという斬新なデザインでした。当時小学生だったサイト・オーナーは憧れの目で眺めていたものです。台車は新型の住友製FS-303とFS-305( 日本初のアルストムリンク式台車 )、WNドライブでした。
1960年代に入ると試作的要素が多い4輌編成2扉車だったので、サイト・オーナーの地元の今津線で原型のまま永く使われていました。毎日のように目にしていたので、ちゃんとした写真を1枚も撮っていなかったのは大変残念です。
1971年宝塚線8連化に伴い電装解除と運転台を撤去して3扉T車に改造されてしまいました。しかし1000形は1010計とは違った屋根の構造(薄い)で、1010系編成に組み込まれても目立つ車でした。
1984年に廃車、阪急新性能車の魁として大きな功績を残したのですが、残念ながら解体されてしまいました。1000の運転台部分のみが平井車庫で保管されているようです。

1027

写真1は1010形1027を先頭とする特急列車、1964/11/7西宮北口〜武庫之荘間の武庫川橋梁。

1956〜1961年に阪急は1000形試作車の成果を元に高性能量産車として1010系35輌をナニワ工機で製造しました。Mcは1010形、Tcは1017形、Tは1050形でした。車体は1000形と同じ準張殻構造の軽量車体でしたが、換気装置として三菱電機製ファンデリアが採用され、屋根が深い二重構造となりました。

武庫川橋梁

写真2は1010形、1964/11/7西宮北口〜武庫之荘間の武庫川橋梁。左側が1010系、右側は新製後間もない2000系。

1010形初期車は2扉ロングシートで製造されましたが、1959年製造の1030以降がラッシュ対策として当初より3扉で落成しました。
1966年から2扉車については順次3扉化改造がが行われています。写真1と2は2扉ロングシートの原型であることに注目してください。

写真3は1010形の普通列車、1966年以降撮影で西宮北口〜武庫之荘間の武庫川橋梁。

この1010形は3扉に改造されています。現在この武庫川橋梁は嵩上げ工事が行われ、ベージュに塗装された低い壁が設けられていて、車体の半分と下回りが見えなくなっています。

1116

写真4は1100形1116、1970/3/25正雀工場。

神戸線新造車1010系、宝塚線用新造車1100系、宝塚線用車体新造車1200系、京都線用車体新造車1600系は同じデザインの車体でした。その中でも写真3のような原型ヘッドライト、阪急マルーンに塗装された貫通扉枠、原型の窓枠を持った1010系は阪急で最も美しい車体ではないでしょうか?

2代目の1000系

写真6は8輌編成の2代目1000系、2015/5/30御影〜六甲間、撮影は友人の長尾裕氏。

2013年から阪急電鉄は新しい1000系の生産を始めました。すでに9000系まで登場していて次は10000系かなと思っていましたが、1000へ番号が戻されました。50000系なんていうインフレナンバーは在籍輌数を大きく見せたい田舎電車を感じさせて、あまり上品な印象を持たないのはサイト・オーナーだけでしょうか?

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