古い車輌の写真

阪急電鉄 36 4300

4301

RP583 Web#=832 掲載2013/7/26

写真1〜3は4300形4301、1970/3/25京都線正雀工場。

1924〜1925年に新京阪鉄道(現在の阪急京都線)は、土砂輸送用として電気機関車1〜3の3輌を汽車製造会社で製造しました。これは後で述べる無蓋貨車1000形(のち4100形)を牽引するためでした。

1929年に2001〜2003に改番。
1960年に2001と2002は3001と3002に改番。
1964年に4301と4302に改番。ずっと正雀工場の入換用として使用されていました。
1975年に車籍を失い、工場の機械扱いとされました。
1986年に4301は解体されました。

全長は9.3m、運転整備重量は23.0tと箱型電気機関車としては軽い方です。当初より直流1,500V、出力は60kwX4=240kw、軸配置はB-B、台車はとても珍しい華奢なアーチバー台車であるブリル50E-2を履いていました。
車体の中央に在る大きな貨物扉のせいで、電気機関車と言うよりも有蓋貨物電車の趣で、宝塚電車館に保存してあった2003の車内に入るとがらんどうでした。

写真4は4300形4301、1969/11/10京都線正雀工場。

まるで古いボギー貨車のような、華奢なアーチバー台車に注目してください。この写真を撮影した時、車体は阪急事業用電車の標準色である黒、エンドビームは黄色と黒の虎縞模様で塗装されていました。

4302

写真5は4300形4302、1970/3/25京都線正雀工場。

4302は4301よりも前に解体されてしまいました。

新京阪鉄道には電気機関車以外に、工事用として蒸気機関車も2輌在籍していました。1889〜1901年に讃岐鉄道がドイツのホーエンツォレルン機関車会社から輸入した7輌のBタンクの内の2輌で、山陽鉄道を経て鉄道省60形となった蒸気機関車の中の60と61です。1927年に新京阪鉄道の建設用に標準軌(1435mm)に改軌の上払い下げられ、建設工事終了後は深夜の保線用として使用されていましたが1938年に廃車解体されました。サイト・オーナーはまだこの時代の写真を見たことがありません。どなたかWebで公開してください。

2003の廃車体

写真4は2000形2003の廃車体、1965/2/1神戸線西宮北口車庫。

この電気機関車は土砂輸送用として3輌製造されましたが、実際の運用では2両で充分だったようで、3輌の内2003は早い時期に休車となりました。
1955年長く放置されていた2003は廃車となりました。2003の車体の半分はカットボディーとして旧宝塚ファミリーランドの「のりもの館(旧電車館)」に特徴のあるアーチバー台車と共に保存されていましたが、現在は正雀工場で保管されています。トロリーポ−ルを搭載し、塗装はダークグリーンの車体にお洒落な赤のエンドビームとなっています。写真6の哀れな廃車体は展示されなかった方の半分と思われます。

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