古い車輌の写真

検重車

ケ2

RJ182 Web#=836 掲載2013/8/7

写真1と2はケ1形ケ2、1967/8/23関西線四日市駅の計重台線にて。

バラ積み貨物や鋼材、木材、機械など重量が良くわからない貨物を貨車に載せたまま秤に載せて計測する施設(計重台)が、貨物運送が華やかだった頃の大きな貨物駅などに設置されていました。定期的にその秤が正確かどうかを点検修正(較正)する際に使用するのが検重車です。

国鉄の検重車は有蓋車の中にいろいろな重量の錘(オモリ)を積み込んでいて、妻面に設けた小型クレーンで錘を計重台線の台秤(ダイカン)に載せるようになっていました。この事業用貨車は錘を沢山積んでいた為に50tを超える重い車輛でした。

1929年汽車製造会社で衡重車(コウジュウシャ)コ1形がコ1〜6の6輌作られました。
1965年コの記号をコンテナ車に譲ってケ1形検重車ケ1〜6となりました。
1977年に新製されたケ10形に置き換えられて廃車となりました。

計重台線には単線式(常に台秤を通過する)と複線式(台秤を使用しないときはポイントで台秤の無い方の線を通過する)が在りました。写真2は複線式の例で、開いている妻面扉の下に貨車の重量を測る台秤が設置されていました。台秤の表示部分は写真1の検重車の右側に見える木造の小屋の中に置かれていました。

古い出版物に掲載された検重車のイラストです。ここでは錘(オモリ)を分銅(フンドウ)と標記しています。写真1と2では立入禁止の為に撮影することができなかった妻面扉の中が良くわかります。

計重台線に就いては下記のpdfに詳しい説明が掲載されています。
http://transport.or.jp/mini-library/tetsudoujiten/Jo/1958_tetsudoujiten_Jo_P0438.pdf

三井三池港務所の検重車

写真4は三井三池港務所の検2、1979/8/5三井三池港務所線用鉄道三池湊機関区。

三井三池港務所の線用鉄道で見つけた検重車です。ここには写真4の15トン(検2)と25トン(検1)の2輌が在籍していました。

写真4の検重車は全体で15トンになるようにフラットカーの上に適当な重さの鋼材を積み込んでいました。

アメリカのスケールテストカー

アメリカにおける検重車(スケールテストカー)は写真5のような形態をしているものが多いようです。アメリカでは珍しい2軸車で、車輛全体が標記重量の単なる錘です。むろんアメリカにも日本の検重車と同じ様に有蓋車にいろいろな重さの錘を積み込んでクレーンで積み下ろしをする物もあります。その他にフラットカー(要するにチキ)に各種の錘を積み込みカバーをかけたもので、錘の積み下ろしは地上に設置されたクレーンに依存するものとか、短いボギー車に直径の大きな水タンクを載せたもの(重さは水位で調整するのでしょう)とかが在ります。