古い車輌の写真

無蓋車 2 トム

トム56755

RJ184 Web#=838 掲載2013/8/17

写真1はトム50000形トム56755、1963/11神戸港臨港線東灘ヤード。

1940〜1943年に鉄道省が戦時輸送に使用するために15t積無蓋車トム50000形トム50000〜56806の5807輌を製造しました。この中には戦時買収の小倉鉄道、相模鉄道が製造したものも含まれます。戦争が激しくなるにつれて増トン工事(側板と妻板の嵩上げ)を受けてトラ20000形となりました。
1945〜1949年に殆どの改造車はトム50000形に復元されました。
1943年の白紙ダイヤ改正では、多くが2段リンク化工事され1977年まで使用されました。同年に未改造のまま残されたトム50000形の内946輌はトム150000形に改番、1972年まで使用されていました。

トム60195

写真2はトム60000形トム60195、1969/9/19山陽本線糸崎機関区。

1943〜1946年に戦時輸送用として大量(8219輌)に粗製乱造されたトキ900形から1956年に15t積木造無蓋車トム60000形トム60000〜60599の600輌が改造で作られました。当初より2段リンクを備えていました。
1985年までに廃車となっています。

津軽鉄道 トム2

写真3は津軽鉄道トム1形トム2、1966/8/6津軽鉄道津軽中里機関区。

1929年津軽鉄道は日本車輛東京支店で15t積無蓋車トム1形トム1〜12の12輌を製造しました。当時鉄道省で標準的な設計の無蓋車でした。当時の私鉄は鉄道省の監督下にあったので、鉄道省の標準型貨車の設計で作られるのが普通でした。

関東鉄道筑波線トム71

写真4は関東鉄道筑波線トム69形トム71、1975/6/6真鍋機関区。

永らく使われていないトムが機関区の片隅に放置されていました。中央に鋼製の開き戸が2枚あり、両端の煽戸(アオリド)は下部3枚だけが手前側に開くようになっていました。煽戸の上部2枚の側板は固定されていました。

東武鉄道トム863

写真5はトム801形トム863、1963/11館林機関区。

1917〜1926年に鉄道院は15t積の無蓋車ト24000形を6993輌製造しました。
1928年に側板の下部3枚は手前下に開く煽戸、側板の上部3枚が固定式の物はトム5000形に、取外し式の物はトム16000形に改番。東武のトム801形も同じ設計で作られました。

東武鉄道トム1730

写真6はトム1701形トム1730、1963/11館林機関区。

昭和初期に側板が全て煽戸となった無蓋車が作られるようになりました。当時作られていた鉄道省の鋼製トムやトラは妻板も含めて木造に改造されましたが、この東武のトムはまだ鋼製の妻板を残していました。ヨンサントーの白紙ダイヤ改正までは、このように私鉄でも盛んに貨物営業が行われていて、沢山の古い貨車が活躍していました。

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