古い車輌の写真

無蓋車 3 トラ

コトラ25302

RJ184 Web#=839 掲載2013/7/18

写真1はトラ25000形コトラ25302、1967/8/23若松機関区。

1957〜1958年に有蓋車兼用の木造無蓋車としてトラ25000形トラ25000〜25499の500輌が製造されました。当初は有蓋車兼用ということでワトラと称していました。写真で見られるように鋼製の妻板に丸い穴(半円)が開けられており、パイプとかロープをここに通してシートをかけて有蓋車代用とする予定でした。しかしそのようなややこしい運用は現場に通用せず普通のトラとして使われていたようです。写真のコトラ25302は背の高い特殊な妻板を装備していたので、何か変わった貨物(家畜?)を西大分〜宮崎間の専用運用で運んでいたのでしょう。
1985年までに全車が廃車となりました。

コトラ42259

写真1はトラ40000形コトラ42259、1969/3/25安治川愚痴ヤード。

1960〜1961年にトラ35000形の改良形としてトラ40000形コトラ40000〜43269の3270輌が改造と新製で作られました。車で見られるように妻板がそれまでの無蓋車と比べて高くなっていました。
1978〜1979年に800輌の妻板が鋼体化されトラ145000番台(現番号+100000)と改番されました。
1985年までに全車廃車となりました。

コトラ91570

写真3はトラ90000形コトラ91570、1976/12/4福知山線舞鶴。

1964〜1970年にトラ35000形から2241輌が改造されトラ90300〜92536、99000、99001となりました。またトラ23000形から197輌が改造されトラ90000〜90196となりました。トラ23000形から改造されたものはリンク式で、後にトラ190000形トラ190000〜190196へ改番となりました。
2002年までに全車廃車となりました。後継車はワム80000形280000台を改造したワム480000番台ワム480000〜480089の90輌でした。

コトラ91709

写真4はトラ90000形トラ91709、1976/6/5長野電鉄須坂駅。

木材チップのような比重の軽い貨物をバラ積する貨車は無かったので、ごく初期はトキ15000形に金網の柵を設置して運用されていましたが、改番などは行われませんでした。トラ90000が出現した時は、黒っぽい貨物列車の中に鮮やかな黄緑6号の柵がとても目立っていました。

秋田中央交通トラ303

写真5はトラ300形トラ303、1966/8/6五城目機関区。

1960年に秋田中央交通は国鉄トラ30000形と同じ設計でトラ300形トラ301〜306の6輌を製造しました。形式は国鉄の形式に因んで付けられたようです。

秋田中央交通の営業区間は八郎潟〜五城目間の3.8kmでしたが、当時の貨物営業はとても盛んでした。在籍していた有蓋車は10輌、無蓋車も10輌と営業距離の割には多かったのですが、繁忙期には全てが国鉄線に出払っていました。一体何を運んでいたのでしょうか?

片上鉄道トラ807

写真6はトラ800形トラ807、1974/6/9和気機関区。

このトラ807の側板には「銅鉱専用車」との標記が有ります。終点の柳原鉱山で採掘される比重の重い銅の鉱石を運ぶための特殊な無蓋車でした。大きさは国鉄の2代目ト1形と大差ないのですが18t積みの立派なトラです。

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