古い車輌の写真

無蓋車 7 廃車

RJ189 Web#=843 掲載2013/8/22

写真1は西濃鉄道の無蓋車廃車体、1966/12/26美濃赤坂機関区。

写真を拡大してみると側板に形式ト20、台枠にト26?と標記されています。西濃鉄道が戦後大量に払下げを受けた元鉄道省の初代ト1形です。本線とはつながっていない短いレールに乗せられていて、物置にでもなっていたのでしょうか。連結器と側板の一部が失われています。

写真2は北沢商店専用鉄道の無蓋車廃車体、1969/9/1浜田機関区。

模型マニアが喜びそうな風情のあるトですね、傾いたハンドブレーキ、片方だけ下ろされたアオリ戸に注目してください、かなり破損しています。もう床板が失われていて、背の高い雑草や潅木が床を突き抜けて生えています。左側はレールに乗っていないので、傾いていました。

写真3は貝島炭鉱の無蓋車廃車体、1972/5/6貝島炭鉱二坑機関区。

使われなくなって久しいのでしょうか、片方の妻板がフラットカーじゃないよと主張しています。連結器や車輪は失われていて、古枕木を組み上げた台に車体が載せられています。有刺鉄線を張り巡らした柵はなんのためでしょうか?
画面右端に見える古い松葉形スポークの車輪にも注目してください。

私が写真を撮っていたころの地方の機関区などには、有蓋車や客車のように屋根付きの達磨さんとなった車体が物置小屋とか更衣室、組合事務所などに再利用されていました。もう見れなくなった古い車輛が多く、とても興味深いものが有りました。

それに比較して屋根を持たない無蓋車が再利用されるケースはまれでした。わざわざ重い車体を基礎の上に置く手間を考えれば、簡単な木枠等で囲いを作れば充分実用になったのでしょう。機関区のレイアウトセクションを作る時には、ぜひ敷地奥の片隅に設置してみたいものです。

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