古い車輌の写真

長いタンク車

タサ4107

RJ207 Web#=875 掲載2013/12/29

写真1はタサ4100形タサ4107、1969/10/4国鉄東海道本線尼崎駅。

タサ4100形は保冷用キセを装備した20t積液化アンモニア専用タンク車で高圧ガスに関する法令により白色塗装です。1956〜1964年に142輌が作られました。アンモニアは常温では気体ですが少し加圧(約8kg/cm2)すると容易に液化するので、保冷された液体で運ばれます。化学肥料である硫安の原料として国内で毎年100万トン以上生産されています。人体には有害で粘膜に対する刺激性が強く、濃度0.1%以上のガス吸引で危険症状を呈するようになります。

タサ5460

写真2はタサ5400形タサ5460。

タサ5400形は保冷用キセを装備した20t積液化プロパン専用タンク車で高圧ガスに関する法令によりネズミ色塗装です。1960〜1963年に358輌が作られました。燃料用プロパンはブタン等の混合ガスで、少し加圧(約8.5kg/cm2)すると容易に液化するので、液体で保冷されて運ばれます。燃料用プロパンは国内では毎年1500万トン以上生産されています。

タサ5765

写真3はタサ5700形タサ5765。

タサ5700形は保冷用キセを装備した20t積液化プロパン専用タンク車で高圧ガスに関する法令によりネズミ色塗装です。タサ5700形は1960〜1963年に358輌が作られました。

タサ15747

写真4はタサ5700形タサ15747、1969/6/5国鉄山陽本線鷹取駅。

高圧ガスタンク車は業界団体による標準設計が進んでいたため、車体構造と主要寸法は他の形式と良く似ています。タム2300形塩素ガス専用タンク車で確立した仕様、つまり液入弁・液出弁・安全弁をタンク中央のマンホール蓋上にまとめ、円筒形のプロテクタで保護したマンホール弁方式は、日本の高圧ガスタンク車の標準となっています。

タキ4101

写真5はタキ4100形タキ4101、1969/9/7国鉄桜島線安治川口駅。

1963〜1967年にタサ4100形の拡大改良版として25t積液化アンモニア専用タンク車タキ4100形が44輌作られました。他の高圧ガスタンク車と同様保冷キセ、マンホール弁方式です。高圧ガスに関する法令により白色塗装です。

法規制により高圧ガスタンクは15年経過すると検査が格段に厳しくなるので、所有している会社がタンクを点検出来る部署か子会社を持っていない場合、高圧ガスタンク車の寿命は15年となってしまいます。また液化ガスの比重は大変軽く、30t積の場合タンクの容量は46.9m3、タンク車の全長は17.0mにもなります。

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