古い車輌の写真

国鉄室木線遠賀川駅のハチロク 1

RJ027 Web#=90 掲載2008/3/12

国鉄の鹿児島本線遠賀川駅から出ている短い支線室木線に出かけたのは、きつい日差しの照りつける1973/8/5のことです。蒸気機関車がまだまだ活躍していた頃ですが、さすがに蒸気機関車の牽く旅客列車はほとんど全滅状態でした。ここ室木線は沿線にある中小の炭鉱から掘り出される石炭を運搬するために建設された運炭鉄道です。ところがエネルギー革命で1960年代には中小炭鉱からの石炭の運搬が無くなり、沿線の住宅地から学校へ登校する生徒たちを運ぶと言う典型的な過疎の地方交通線となっていました。

写真1と2は遠賀川駅での側線で待機中の8620形蒸気機関車の88622です。機関車の奥には小さな木造の乗務員の詰所が見えます、暑いから簾でも掛ければいいのに。ロコの手前にあるのは簡易な給炭施設です。ローカル線の機関支区によく似合う給炭台ですが、木造だったらもっと似合ったことでしょう。今は朝晩の通勤通学列車だけなので、この台に一杯積み上げるほどの石炭はいらないのでしょう。

そのまた右手には小さな水タンクが立っていますが、こんなに小さなもので間に合ったんでしょうか。石炭を運ぶ長大貨物列車が発着していた頃には、こんな小さな水タンクでは使い物にならなかったことでしょう。この遠賀川の駅にも長い石炭列車を思い起こさせる長い機回り線と留置線がまだ残っていました。この沿線は水に恵まれなかったのか、水運車が2両(ミム149とミム131)も派遣されていました。

時間になるとハチロクはとことこと側線から出てきて短い(3輌編成)旅客列車の先頭に連結されます。あれれバック運転ですね、ターンテ-ブルのような気の効いたものはもう無いのでしょうか。ハチロクのデッキに立っている連結手の人はとっても暑そうです。プラットホーム後方に見える簡易な貨物上屋にも注目してください。

ハチロクが列車の先頭に連結され、列車の据付作業は完了。でも夏休みのためか生徒さんや学生さんは、ほんのちらほら。側線も本線も夏草が生い茂っています。

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