古い車輌の写真

尾小屋鉄道 3 C155

C155

RP600 Web#=879 掲載2014/1/5

写真1〜4は側線で休んでいるC155、1977/3/20尾小屋鉄道新小松駅側線。

1947年立山重工業でレディーメイドの仕込品として製造。
1949年尾小屋鉄道が2代目5号蒸気機関車として購入。
1951年運輸省へ竣工の届出。

1972年三重県の長島温泉遊園地の「長島温泉SLランド」にハフ1・2とともに貸し出されて遊具として運転されました。
1977年路線廃止に伴い廃車。その後は石川県立尾小屋鉱山資料館(現在の小松市立ポッポ汽車展示館)で保存されています。
5号蒸気機関車の仕様は軸配置C、運転整備重量14.5t、長さ6.38m、常用圧力13kg/m2でした。14.5tと軽便鉄道用としてはやや大型に属する蒸気機関車で、その重量と力で豪雪地帯の除雪用として重宝され、廃線になるまで車籍を残していました。

通常この蒸気機関車は終点の尾小屋駅に在る建て屋に収容されていました。廃線の日に尾小屋鉄道を訪問しましたが、車籍のある軽便蒸気機関車ということで、大変喜んで機関車の周りを何度も歩き回りながらたくさんの写真を撮ったことを覚えています。

サイドタンクが軽便鉄道の小さな車輛限界に制約されて薄いので、水の容量を確保するためにタンクの背が高くなっています。その高さの為に、全体的に腰高で不安定な印象を与えています。

背景に見える紅白の幔幕は廃線記念式典の会場で、出席者の為の幕の内弁当が並んでいました。

加悦鉄道 C-160

写真5は加悦鉄道で日本冶金の工場引込線の入換作業に使われていた産業用標準型蒸気機関車C-160、1942年立山重工業の前身本江機械製作所製です。これは3フィート6インチゲージ(1067o)ですが尾小屋鉄道のC155とよく似た設計で、サイドタンクの高さが機関車の大きさと比べて高くなったのと、キャブの小さな窓がサイドタンクと同じ高さに設けられた為、不安定で腰高な印象を与えています。

国鉄 B2010

写真6は国鉄のB20形B2010、1978/1/4梅小路蒸気機関車館。

国鉄のB20形も尾小屋鉄道C155と同じように実用一点張りの設計で作られました。しかしB20は官公庁である鉄道省の為に製造されたためか、C155のような美的配慮(ボイラー前端角の処理、丸く成形されたドーム、化粧煙突)が全くなされていませんでした。車輛限界が広いのでサイドタンクが低くても容量を確保できたために、腰高の印象が無くなっています。サイト・オーナーは中途半端な美的配慮よりもB20のような徹底した実用主義設計の方が潔くて優れていると思いますがいかがでしょうか?
このB2010は1946年立山重工業製です。


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