古い車輌の写真

国鉄荷物車 3 マニ30、44、スニ41

マニ30 2003

RJ892 Web#=892 掲載2014/2/2

写真1と2はマニ30形マニ30 2003、1971/9/7国鉄東海道本線大阪駅。

1948年日本銀行は太平洋戦争後のインフレーションの為に発行量が増大した紙幣を日銀各支店への運送に備えて、私有車両としてマニ34形マニ34 1〜6を新製しました。当初は荷物列車や客車列車の先頭(ロコの次位)に連結されていました。後に電気暖房化されマニ34形マニ34 2001〜2006へ改番。
1962年荷物扉が大型化され、外観が変わりました。

1964年冷房化、後に電気暖房化されマニ34形マニ34 2001〜2006へ改番。
1970年マニ30形マニ30 2001〜2006へ改番。
1981年までに新造されたマニ30形マニ30 2007〜2012(外観は全く異なる50系新型客車に準ずるもの)に置き換えられて廃車。

セキュリティーが重視される現金輸送車マニ30形は、荷物室側の妻面は写真1のように貫通扉が無い、車掌室と荷物室の間に扉が無い、荷物室と荷物扉には窓が無いという特殊な外観を持っていました。この荷物車の在籍や運行に関わる情報は、国鉄内部でも秘密扱いだったようです。

スニ41 3

写真3はスニ41形スニ41 3、1970/3/2国鉄東海道本線大阪駅。

1969年に締切便用荷物車スニ41形スニ41 1〜スニ41 9,スニ41 2010〜スニ41 2013の13両が新潟鐵工所で製作されました。スニ40形に一般小荷物室と車掌室を追加したもので、全長18.4m、自重26.4t、荷重はB 形パレット18個(荷重 13t)と一般荷室2tでした。
1978年までにスニ41 1〜スニ41 9は電気暖房併設改造が行われ、スニ41 2001〜スニ41 2009に改番されました。
1986年小荷物輸送が全面廃止。
1987年のJR移行までに全車が廃車。

マニ44 2009

写真4はマニ44形マニ44 2009、国鉄東海道本線大阪駅。

1978〜1983年に老朽化したマニ60形やマニ36形などの置換用として、パレット輸送用のマニ44形マニ44 2001〜2161の161輌が製造されました。
1986年のダイヤ改正で荷物輸送が廃止されると本来の用途を喪失し、殆どが廃車となりました。

マニ44 2052

写真5と6はマニ44形マニ44 2064、国鉄東海道本線大阪駅。

これらの40台の形式称号を持つ荷物車や郵便車の基本的な車体構造は、1957年に国鉄の大宮工場で3両が試作された、側面総開き式のパレット輸送用有蓋車初代ワム80000形(後のワム89000形)です。

大量(26,605輌)に製造された2代目ワム80000形の車体を延長してボギー車としたワキ5000形や、100m/hで走行できるワキ10000形やワサフ10000形を延長したり車掌室を追加したりしてスニ40形、車掌室付きのスニ41形、郵便車スユ44形、貨車と兼用とワキ8000形、その車掌室付きのワサフ8000形、車体を延長して車掌室も付けたマニ44形が作られました。しかし国鉄の荷物輸送や郵便輸送が廃止となったために長く活躍はできませんでした。

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