古い車輌の写真

西濃鉄道 1 2109

国鉄 美濃赤坂線 美濃赤坂駅

RP033 Web#=94 掲載2008/3/16

今でも盛業中ですが美濃赤坂線の終点から短い貨物専業の私鉄があります。主として石灰石とその加工品を専門に運んでいる西濃鉄道で、私が訪問したのは暮れも押し詰まった1966/12/26でした。この写真は国鉄の支線で通称美濃赤阪線の終点美濃赤坂駅のなんともさびしい冬の光景です。頭がB6のことで一杯だったので、単行のクモハの写真を撮り忘れていたのは痛恨です。

西濃鉄道のB6 2100形2109

冬の陽はつるべ落としですぐに暗くなり、この機関区と周辺だけで撮影を終わらねばなりませんでした。

左の写真はいわゆるB6、国鉄では2100型です。B6でもっとも数多く在籍したのはイギリス製の2120型ですが、2100型はその先駆車と言うべきロコです。これがケムリを出して活躍しているところを撮り逃がしたのは残念でした。火を落としてから1年も経過していないころで、車庫の留置線の一番奥に押し込められていました。

このとおり写真は極めて撮りにくいところでした。僚機の2105はもう既に解体されていて見当たりませんでした。

このアングルで見るとキャブの高さが嵩上げされているのがよく分かります。手前のトが邪魔である。

この蒸気機関車は運転整備重量が46トンもある大きなもので地方の小さな鉄道では使いきれないものでしたが、ここ西濃鉄道では石灰石を満載した重量貨物列車が設定されていたので実力を発揮でき永年に渡って愛用されていました。

キャブの丸い窓から前方を眺めたところです。ぬくもりが全く感じられない蒸気機関車はさびしいものです。

イギリスのダブス社(ドゥープス?)により、1891年に日本鉄道(今の東北本線や常磐線)向けに6両が製造され、166〜176の偶数に付番され、改番と政府による買収があり、2100形2109号となりました。松本機関庫で廃車となり、1929年に長野工場で整備して西濃鉄道に入線。1966年に廃車、1970年に大井川鉄道へ譲渡され保存されていましたが、現在は日本工業大学で動態保存されています。

横からの所謂形式写真を狙ったんですが、半分しか入りませんでした。煙突の雨除けが物悲しいですね。

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