阪急380形
RP614 Web#=943 掲載2015/4/17写真1は380形384、1970/9/6 阪急今津線仁川駅北方。 1935年阪神急行電鉄( 後の阪急電鉄 )は宝塚線用として川崎車輛で小型半鋼製電車320形320〜331の12輌を新製しました。 1936年同じく宝塚線用320形の増備車として川崎車輛で380形380〜385の6輌を新製しました。320形と380形の車体はほとんど同じで、外観で大きく異なるのは320形の段付きのウインドウシルが、380形では平帯に変わったことぐらいです。 1956年付随車化されていた380形は310形の電装品を流用して320形と同じ仕様で再電装化されました。
320
写真2は320形320、1966/1/25 能勢電鉄平野車庫。 1964〜1965年に阪急在籍のまま能勢電鉄へ搬入され、能勢電鉄側の線路改良工事を駅の側線などで待ちました。 1966年借り入れ契約が締結され2両編成で能勢電鉄での本格的な運行を開始しました。320形の導入に伴い、好ましい田舎電車の風情を醸していた10形や20形の木造電車、30形、51と61以外の50形と60形が淘汰されてしまいました。
326
写真3は320形326、1966/1/25 能勢電鉄平野車庫。 1968年から入選してきた500形と3輌編成を組むようになりました。 1973年正式に阪急電鉄から能勢電鉄に譲渡されました。 1979〜1980年にかけて車体更新工事が行われ、321、322、325、326、329、330の6両は、運転台を撤去して中間車化され、324と327は片運転台化されました。
328
写真4は320形328、1966/1/25 能勢電鉄平野車庫。 1983〜1986年にかけて廃車、328以外の全車が解体されました。 1992年に平野車庫で保管されていた328も解体されました。
383
写真5は380形383、1967/4/16 能勢電鉄平野車庫。 1967年阪急が1500Vに昇圧したことにより休車となった380形6輌は、平野車庫へ搬入され500形23輌とともに保管されていました。 1975年に380形383だけが整備を受けて能勢電鉄で運用され始めました。残りの5輌は阪急在籍のまま平野車庫で廃車解体となりました。 1977年能勢電鉄に譲渡。 1985年廃車解体。
384
写真6は380形384、1967/4/16 能勢電鉄平野車庫。 1967年に阪急から搬入された380形は9年近く屋外に放置されていて状態がとても悪くなっていたようです。6輌あった380形で、能勢電鉄で再起できたのは383の1輌だけでした。
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