貨車移動機
RF014 Web#=29 掲載2007/12/31 修正1 2012/3/6鉄道で貨物輸送が華やかだったころの国鉄の小さな駅には、必ず小型の入替専用(本線には出られない?)ディーゼル(ガソリン)機関車が配置されていました。国鉄では車籍の無い機械扱いの小型機関車を貨車移動機と呼んでいました。私鉄では貨車移動機と同じサイズの機関車でも正式な車籍を持ったものもありました。
木造の貨車移動機

写真1は木造の貨車移動機、1966/8/3仙台運転所。 SLに気を取られていてメーカープレートを見ていませんでした。ボンネット正面の銘板にはHASHIMOTOと書いてあります。内燃機職場を持っていて貨車移動機を量産していた橋本工機部で省営自動車の再生エンジンを利用して製造されたのでしょう。 ヨタヨタとあんまり強力には見えませんが、ワムにして何台ぐらいを牽き出せたのでしょうか。
鋼製の貨車移動機

写真2はもう少し新しい時代(車体が鉄製)の貨車移動機、1966/8/3仙台運転所。 銘板が台枠の端に見えますが文字は読めません。外観から1949年以降に省営自動車の整備工場である橋本工機部や京都工機部で省営自動車の再生エンジンを利用して量産されたC2形と推定されます。 このようなかわゆいロコが、ゆらりゆらりと動くレイアウトはさぞや楽しいものでしょう。ナローゲージの蒸気機関車が既製品として販売されているので、このような小型機関車をスケールで作るのは可能じゃないでしょうか。
京福電鉄福井口駅のMr. Kato

写真3は京福電鉄福井口駅の貨物ヤードの端っこで撮影したMr. Kato、1973/6/3。 季節は初夏、もう暑いのでしょうか・・・ボンネットが開け放たれていました。模型で再現するのでしたら、断然こちらの姿がいいですね。

写真4と5はMr. Kato、1977/3/21京福電鉄福井口駅貨物ヤード。 オリジナルはガソリン機関車だったのでしょうか。側線の一番奥に止められていました。ガラスが汚れヘッドライトが俯いていますが、もう使われなくなったのでしょうか。

鉄道ファンは内燃機関を持つ機関車を軽視するように思えますが、私はこのデザインのロコはSLと同じくらいの魅力を持っているのではないかと思います。ローカル駅のレイアウト・セクションの片隅で光っている動くチャームポイントですね。
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