古い車輌の写真

熊本電鉄 1 モハ51

51

RP247 Web#=397 掲載2009/10/8

写真1〜3はモハ51形51、1972/8/3熊本電鉄北熊本車庫にて。

熊本電気鉄道の歴史は1909年に設立された菊池軌道まで遡り、今年は設立100周年です。1911年に最初の区間が蒸気機関車の牽引する3フィート・ゲージ(914mm)の軌道として開業しました。このゲージはアメリカのナローゲージでは一般的(総延長で3000Km以上)なものですが、日本では九州北部にだけ偏在していました。例外的に岡山県で両備バス西大寺鉄道線が1962年まで営業していました。

1923年に全線が3フィート6インチゲージ(1067o)に改軌と電化、1924年に菊池電気軌道に社名を変更しました。1945年7月1日の深夜154機のB-29型爆撃機による熊本大空襲で、在籍していた電車29輌中10輌が失われました。1948年に社名を熊本電気鉄道に変更しました。モータリゼーションに追われて1986年に約半分の区間を廃止にしました。

将来の計画として熊本電鉄は4フィート8 1/2インチ・ゲージ(1435o)に改軌して、熊本市電と相互乗り入れによるLRT化を提案しています。

このモハ51は1943年にモハ51〜54の4輌が製造されました。太平洋戦争真っ最中に、よく新造できたものだと思います。当然戦時型となったのでしょう、切妻型の妻面で工程が簡略化されていました。1960年にモハ51は電動貨車になりモ51となりました。1980年に廃車となっています。ほかの3輌は電装解除されて客車ハ52〜54となりました。ハ52とハ53は1977年、ハ54は1980年に廃車となっています。

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