古い車輌の写真

福井鉄道 福武線 6 デキ1

デキ1

RP308 Web#=498 掲載2010/5/4

写真1〜4はデキ1形デキ1電気機関車、1973/6/3福井鉄道南越線社武生駅側線にて。

福井鉄道の前身福武電気鉄道が1935年に芝浦製作所(現在の東芝)で新造した凸形電気機関車です。1945年に鯖浦電気鉄道が戦時下における交通企業統制で福武電気鉄道と合併して福井鉄道デキ1形デキ1となりました。

新造といっても実態は車体だけで、台車(イコライザー式のTR-11)と電装品などは福武電気鉄道のデハ1形デハ4のものを装備していました。デハ4は元々1914年に鉄道院新橋工場で製造されたナデ6136(後にデハ6288と改番)で、目黒蒲田電鉄に払い下げられてデハ43となり、次いで1927年に福武電気鉄道に譲渡されてデハ1形デハ4となっていました。全長8.8m、重量25.0t、出力164KWと小型の電気機関車でした。

デキ1は福武線で貨物輸送に使われていましたが、南越線で電気機関車代用として使用されていたモハ111が事故で廃車となったため1975年南越線に移動しました。1981年の南越線廃止に伴い休車となり、1986年廃車となりました。

写真1〜4を撮ったのは初夏で、除雪用電気機関車の出番は有りません。南越線の貨物営業は五分市駅までで、電車牽引(モハ111)でも間に合う程度の小規模なものでした。きっと留置線でヒルネの時間が長かったことでしょう。

写真5と6はデキ1形デキ1電気機関車、1977/3/21南越線社武生駅側線にて。

この写真のように側面から見ると台車と車体の間が広く、かなり腰高でした。小柄なボンネットとそこに載せられた2本のエアタンク、小柄なパンタグラフ、一人前の大きさのキャブなどで、アンバランスな印象を与えています。

この写真を撮ったのは早春でまだ構内には雪が残っていました。除雪用のスノープローを装備したまま社武生駅の側線で待機していました。

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