古い車輌の写真

加悦鉄道 3 蒸気機関車 C-161と貨車

C-161

RP367 Web#=587 掲載2011/4/26

写真1と2は加悦鉄道C15形C-160、1975/6/21京都市立大宮交通公園にて。

大江山ニッケル工業が1941年に本江機械製作所(後の立山重工業、1949年に倒産)で戦時輸送用として製造。機関車の車籍と運用は加悦鉄道。運転整備重量15.5t、全長6.6m、使用圧力13.0Kg。
1947年大江山ニッケル工業が日本冶金工業に吸収。戦時中は迷彩塗装が行われていたようで、その写真も残されています。

1966年廃車となり、1969年から京都の大宮交通公園で保存。現在は屋根が設置され国鉄の車掌車ヨ6720と連結した状態で保存されています。大宮交通公園についてはこちらもご覧ください。

本江機械製作所、後の立山重工業の蒸気機関車は標準設計の小型産業用蒸気機関車の生産に特化していました。活動の時期が戦争中だったためか、その品質は殆んどが粗製濫造に近く、戦争が終わって世相が落ち着くとすぐに淘汰されてしまいました。

国鉄B20 10

写真3は国鉄B20形B20 10、1978/1/4梅小路蒸気機関車館。

戦争中の産業用小型蒸気機関車の標準設計に基づいて同じ立山重工業で製造された国鉄B20形です。C-160は丸いドーム、化粧煙突と、まだデザインに気配りされた設計ですが、B20と比べてとても不安定な印象があります。これは高い位置にあるキャブの窓、ランボードの高さ、サイドタンクの高さ、動輪の小ささが全て腰高な印象を与えているからでしょう。

ワブ3

写真4はワブ1形ワブ3、1976/12/4加悦鉄道加悦機関庫。

1926年に梅鉢鉄工所で製造したト1形ト2を1941年に改造してワブ1形ワブ3としました。全長6.2m、自重5.1t。

このような窓のある有蓋緩急車は地方私鉄の貨物列車の最後に必ずつながれていました。古い貨車に由来する車輪の松葉スポークに注目してください。

トム53

写真5はトム50形トム53、1976/12/4加悦鉄道加悦機関庫。

晩年は除草剤撒布用として保線で長らく使用されてたようで、トムの標記が消えてしまっていました。このトム50形については当てにしている鉄道ピクトリアル私鉄車両めぐり第一分冊によれば、関連する記録が本社に残されていなかったようです。