古い車輌の写真

南海電鉄 5 11001

11005

RP454 Web#=688 掲載2012/1/21

写真1と2はモハ11001形11005、1970/11/3南海電鉄天下茶屋車庫。

1954年〜1962年に南海電鉄はカルダン駆動の特急車11001系1次車43輌を帝國車輛工業(現在の東急車輛製造)で製造しました。ノーシル・ノーヘッダーの平滑な車体でしたが、屋根の雨樋と貫通扉が残っていてやや古めかしさを残していました。淡緑(オリエンタルグリーン)の車体にエメラルド・グリーンの細い帯という新しい明るい塗装でした。

写真1と2の11005は1500V昇圧準備工事の対象にはならず廃車となりました。初期の高性能車で600V仕様のモーターと制御機器の改造が困難だったために、20年程度の車齢にも関わらず11001系1次車の多くが廃車となってしまいました。

11004

写真3と4はモハ11001形11004、1970/11/3南海電鉄天下茶屋車庫。

この11004は南海電鉄から京福電鉄福井支社に譲渡されました。しかしその立場は部品取り用で京福電鉄福井口車庫の裏で、次々と部品が剥ぎ取られて朽ち果てて行きました。その状態はこちらをご覧ください。

淡い緑に濃い緑の線のという新鮮で爽やかな塗装は暗い色が多かった当時の鉄道車輛とは違っていました。小学生のころに電車の絵本で初めて見たときの私の11001系の塗装に対する印象は、窓が小さいというデザイン上の欠点を隠してしまうほどのとても強いものがありました。

11009

1956年〜1962年に2次車としてMcのモハ11001形と中間Mであるモハ11100形が合計35両製造されました。車体は正面が所謂湘南形となりましたが、基本的な構造は1次車と同じでした。
1973年の架線電圧昇圧時に備えて2次車から16輌に1500V昇圧工事が行われ1000系となりました。
1973年に写真の11009は京福電鉄福井支社に譲渡されモハ3000形3001となり越前本線で活躍しました。
2002年えちぜん鉄道に引き継がれましたが、一度も使用されることなく2003年に廃車解体となりました。

京福電鉄福井支社 3007

写真3はモハ3000形モハ3007、1977/3/21京福電鉄福井支社福井口車庫にて。

1973年に福井鉄道に譲渡された元南海電鉄モハ11001形初期車モハ11001で、モハ3001形モハ3007となりました。後に前面を小田急の電車に良く似た非貫通2枚窓に改造されました。モハ3001形はえちぜん鉄道に引き継がれましたが、2003年に廃車解体となりました。詳しくはこちらをご覧ください。

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